農民の権利と種子の未来とは?
農業問題でもことに青果物の流通にフォーカスしています。 生産者、流通業者、量販店、料理人などの実需者対象。 地域活性化のためにソーシアルメディアを活用中。 講演講師、各種調査依頼もお引き受けいたします。メールでお問い合わせください。
2011年5月31日火曜日
2011年5月26日木曜日
2011年5月24日火曜日
市場流通衰退のなかで急速に経営悪化する仲卸
農業新聞は東京都が公表した仲卸の経営状況を次のように分析した。
「東京都中央卸売市場・青果の仲卸業者の、2009年の経営状況が 明らかになった。営業利益が前年に比べ半減した他、全体の4割が経常赤字に陥る過 去5年で最悪の結果になった。負債が資産を上回る債務超過も依然として3割を超しており、厳しい財務内容といえる。市場間格差が出始めていることを踏ま え、産地は卸売会社の経営状況と併せて市場絞り込みの参考にする必要がある。
仲卸業者の経営状況を公表しているのは東京都 と大阪市の中央卸売市場開設者だけ。東京都の場合は毎年、年度末に前年の結果を仲卸業者数の推移とともに報 告する。それによると、09年の青果物を扱う業者数は367(法人353、個人14)で、バブル期に比べて約3割減少した。ただ、集荷力の強さと販売先の 多さから他の中央卸売市場と比べ桁違いの数で、仲卸業者の経営・財務状況を把握する上で欠かせない資料だ。
まず、利益の 源泉である売上総利益率(粗利率)は前年に比べわずかだが上昇、11.90%になった。5年前(11.60%)と比べても上がっており、 リーマンショック後の販売金額の低迷はあるものの、それを上回る仕入れ価格(卸売価格)の低下が粗利率を押し上げたといえる。しかし、本業の儲けを表す 営業利益率は0・28%、また営業外収益を含めた経常利益率も0.42%とそれぞれ前年に比べ半減した。いずれも過去5年で最悪だ。スーパーなどとの取引 で予想以上にコストが膨らんだことが要因とみられる。」
スーパー対応の仲卸には商品の評価機能などなくなってきている。リパック、配送機能と金融機能を代替えさせられている状態だ。
大手量販店の売れ行きが悪いのでそのシワ寄せが仲卸にきている。
小 売りは生鮮に特化して5、6店舗を展開するスーパーが経営内容はいちばんいい。仲卸の業態とは本来そうしたものである。自社の専門性を生かして小さく手堅 く対応していくのがいい。大型店対応をしていくと深夜労働が多くなり労務倒産する可能性がでてきている。築地も大田も店舗を拡大してきたところが急速に力 をなくしている。ここで一挙に淘汰が進むだろう。
一方では市場外流通でまともに努力してきたところが元気がいいのである。 卸でまともに評価されなかった優秀な人材が確保できるので成長するところも多くなった。いつまでも市場というムラ社会に拘っていたら衰退していくだけだ。 ソーシアルメディアも使いこなせないようではどうにもならない。リアルの取引だけがビジネスではない。水面下では大きな変化がすでに起こっているのだ。
2011年5月23日月曜日
アンテナショップは地域の農業支援だ!
21日(土)の埼玉県・所沢青果市場発のアンテナショップのプレオープンで多くのヒントを貰いました。
この所沢青果市場は所沢市も出資した第三セクターで運営されています。埼玉県の市場行政は首都圏のなかでもとくにお粗末で青果の中央卸売市場がない。浦和につくりたいということで何回か準備室が設けられたものの計画が消えていった。神奈川県は最盛期には5ヶ所もあった。千葉県でも2ヶ所もあるのだ。山梨県だって甲府にある。
だから埼玉の産地は東京市場の草刈り場的な存在であった。
今後は所沢市の職員にも協力をお願いすべきだろう。地方公務員の意識改革につながります。公務員を眠らせてはいけない。徹底して使いこなしていこう。
ところでアンテナショップには地域の農業支援ということが大義名分があります。
農産物ならナンでも販売しよう。地元産おコメも販売されていたが、それが有機栽培米であったらなおいい!
隠れた農産物に光をあてていくことも必要だ。
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2011年5月22日日曜日
南三陸町のタブの木は生き残った!
「鎮守の杜」はみている!
植物生態学者の宮脇昭さんの話を聞いた。元気な先生の声が気持ちよい。
2011年5月20日金曜日
農水省/食品小売団体に野菜の産地表示の配慮を要請
平成23年4月5日
別記食品小売業関係団体の代表者宛て
農林水産省総合食料局流通課長
市町村単位等県を分割した区域ごとに行う出荷制限等への対応に
ついて(協力依頼)
日頃より、食品流通行政につきまして、御理解と御協力を賜り、厚く御礼
申し上げます。
さて、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島原子力発電所事故」
という。)に関連して、3月21日以降、県域単位で野菜等の出荷制限・摂
取制限(以下「出荷制限等」という。)の指示が行われてきましたが、4月
4日、原子力災害対策本部において、野菜等の出荷制限等の設定・解除の対
象区域については、汚染区域の広がりや集荷実態等を踏まえ、市町村単位等
県を分割した区域毎に行うことも可能とされました。
これを受け、同日、原子力災害対策本部長から、千葉県知事に対して、①
香取市及び多古町において産出されたホウレンソウ、②旭市において産出さ
れたホウレンソウ、チンゲンサイ、シュンギク、サンチュ、セルリー及びパ
セリを対象に、出荷制限の指示が行われたところであります。
農林水産省といたしましては、これまで福島原子力発電所事故を踏まえ、
生鮮食料品等の円滑な流通・消費に資する観点から、食品流通関係団体に対
して、随時、放射性物質の検査結果や出荷制限等に関する情報をお知らせし
てきたところであります。
つきましては、今回の出荷制限の指示を含めて今後、市町村単位等県を分
割した区域毎に、野菜等の出荷制限等の設定・解除の指示が行われることが
考えられますので、消費者が科学的・客観的な根拠に基づいて適切に対処し
ていただけるよう、野菜等の販売時における産地名の掲示等について、御配
慮をお願いいたします。
なお、このことを貴団体の会員企業に対し、御周知いただくよう、よろし
くお願いいたします。
写○
( 別紙)
別記
財団法人食品流通構造改善促進機構
財団法人食料農商交流協会
全国水産物商業協同組合連合会
全国青果物商業協同組合連合会
日本果物商業協同組合連合会
全国小売市場総連合会
社団法人新日本スーパーマーケット協会
社団法人日本ショッピングセンター協会
社団法人日本フランチャイズチェーン協会
社団法人日本ボランタリー・チェーン協会
日本スーパーマーケット協会
日本小売業協会
日本百貨店協会
日本チェーンストア協会
協同組合セルコチェーン
全日食チェーン商業協同組合連合会
無添加食品販売協同組合
オール日本スーパーマーケット協会
日本生活協同組合連合会
日本チェーンドラッグストア協会
株式会社八社会
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2011年5月19日木曜日
いま塩害回復にも植物が持つ機能性に着目されている!
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㈱八百一の郷(京都・JGAP認証農場)が被災者を受け入れています
■八百一の郷 丹波農場が被災した方を受けれいています
↓
http://jgap.jp/JGAP_News/shien_campaign.html#renkei_fukkou_campaign
被 災された東日本・東北地方でJGAPに関心のある、又はJGAPに取り組んでいた生産者で、農業に高い志を持っていながら、東日本大震災の影響による土壌 汚染などにより長期にわたり農業に取組めない方に対し、腰を据えて農業に取組める場を提供し、販売や経営面にも協力いたします。
また、希望があれば将来状況が落ち着いた時期に地元に帰っていただいて、地域の農業を引っ張る農家になっていただけたら、大変結構であると思っております。
★【受入先の丹波農場について】
住所:京都府船井郡京丹波町豊田本野80番地
事業内容:露地・施設野菜栽培
面積:約9ha
栽培作物:イチゴ・キャベツ・玉葱・ズッキーニ・京野菜・ハーブ類他・約30種
従業員:10名 他にパート
特徴:JGAP2010認証農場、親密先に青果小売大手の(株)セントラルフルーツがあり販売面安定
宿泊設備:農場併設の従業員寮(ワンルームマンション)あり
ご興味ございましたら、以下の担当者までお問い合わせください。
【問合せ先】
株式会社 八百一の郷 担当:弘 敏二
TEL:075-314-0331 E-MAIL:toshiji@kyoto-yaoichi.co.jp
2011年5月18日水曜日
仕入先管理は大丈夫ですか?
欧州でGLOBALGAP認証が始まった理由は、仕入先を管理するためです。
日本の流通や食品産業は、自分の店舗や工場をピカピカにするのは得意ですが、仕入先管理が苦手です。
事故米の時も「まさかあの企業が・・・」という会社が巻き込まれています。
仕入先管理というと、使った農薬の履歴を集めることだと思っている人がいます。
これは大きな間違いです。
残留農薬の基準違反(=食品衛生法違反)を起こす原因は、農作業の現場にあります。
履歴を集めるだけでは、事故は防げません。GAPの導入が必要なのです。
21世紀になって、なぜGAPの認証制度が世界中に登場したのか?
農産物の買い手の視点「仕入先の農場・JAが、しっかり安全管理できているのか、判断・評価したい」
農場・JAの視点「うちは真面目にしっかり安全管理している。信頼できる仕入先であることを消費者やバイヤーにアピールしたい」
これらのニーズに対する解決策(ソリューション)がGAPの認証制度なのです。
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2011年5月17日火曜日
埼玉・所沢市場発のアンテナショップが21日プレオープン!!
・・・・・・
★午前中のみの販売になります。
...実はまだ商材集めをしている最中ですが、地方零細市場発で全国の逸品を集めて販売します。
逸品情報をお持ちの方は是非教えてください。もちろん、ご自身の「逸品」大歓迎です!
21日(土曜日)は、関越自動車道の所沢IC降りてすぐの「所沢 地方総合食品卸売市場」までお越しください。
2011年5月16日月曜日
プロの農業者を対象に考えています
こうした農業体験型農園
プロになるためには市場での評価が必要で価格を決めて貰わねばな
そこで日本農業再生では農業のなかでも青果物の流通を主として対象とし
★またプロフィールでも明確にしてますが、基本的に趣味の農業は
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2011年5月14日土曜日
この18年間は何だったのだろうか?
そ うした時に同社の社長が私に「大阪の専務を呼び戻してくれないか!」という依頼であった。私に依頼が回ってくる前に社長が大阪に赴き専務を説得したのだが 埒があかないということであった。私は土日を利用して大阪に出かけた。専務の本音を聞かせてもらいたいということで話合ったのだが、もう独立の心構えがで きているようであった。私もそれなら独立もいいだろうということで説得を断念。東京に帰ると専務の決意を社長に伝えた。
し かし、結果的に大阪事務所をたたみ東京本社に帰えることになった。そして今年の1月に専務は社長に就任した。ところが社長就任と同時に体調に変化が生じ た。そして5月6日づけの医者の診断書では「糖尿病、脂質異常症のため適応障害」があり静養が必要とある。また明日は前社長の相談に乗らなければならない のだが、私は18年前に答えを出しているだけに憂鬱なる相談で、奥深いところで相性の問題も大きな問題だろう。同じ問題で相談に乗るということは、この 18年間は同社にとって何だったのだろうか。どちらもよく知っているだけに「ああぁ!・・・」という気持ちだ。会社を起していくというのは気力・体力も充 実した時がいいのだが。
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2011年5月7日土曜日
環境サミット伝説のスピーチ少女、セヴァン・スズキの今に迫る!おなかには新しい命も! - シネマトゥデイ
[シネマトゥデイ映画ニュース] オーガニックブームの火付け役となった昨年公開のドキュメンタリー映画『未来の食卓』の続編、映画『地球のなおし方』が来年公開されることが決定した。本作は、1992年にリオデジャネイロで行なわれた環境サミットで、当時12歳ながら「どうやって直すのかわからないものを壊し続けるのはもうやめてください」などと大人に訴え掛け、伝説のスピーチと絶賛されたセヴァン・スズキの現在の活動と、食の安全を守り続ける人々を追ったドキュメンタリー作品だ。
未来の子どもたちのために生き方を変えるよう世界へ呼びかけた、18年前のセヴァンの姿から始まる本作。現在彼女は30歳となり、おなかには新しい生命が宿っている。前作の監督でもあるジャン=ポール・ジョーは、セヴァンが自然と共存して暮らす姿や、合鴨農法によってオーガニック米を作る福岡県・古野農場の百姓百作の精神、無農薬食材を育てる福井県の池田町、そして前作の題材であったフランス・バルジャック村のオーガニック給食とその後の様子を取材。未来の地球の子どもたちを見つめ、救うために活動を続ける日本やフランスの人々の姿を描き出している。
現在も地球環境が危機的状況であることに変わりはないが、「今なら変化をもたらすことが可能だ」と再び訴え掛けるセヴァン。決して人ごとではない食の問題と地球の未来に、誰もが目をそらすことはできないだろう。
★映画『セヴァンの地球のなおし方』は
2011年6月25日から東京都写真美術館ホールほか全国ロードショー
2011年5月6日金曜日
熊本・スーパー「イスミ」がJGAP団体認証取得で安全性を先取り!
その生産者グループでJGAP団体認証を取得して、インストアの直売所を展開しています。
消費者にもJGAPの取り組みをしっかり伝え、支持を得ています。
本来ならこうしたことは市場と農協が連携して取り組んでいかなければならないことだが、量販店に先取りされてしまった感がある。一部取り組んでいる卸はあるがまだ生産者の組織化までにはいたっていない。
こうした努力をしない市場や農協はもう不要となる可能性がある。これまでは確かに需要が旺盛だったので農薬、化学肥料をふんだんに使用して量の確保に走った。しかし、大手量販店の販売不振をみてももう規模の拡大や量の確保の共販時代は終焉しているのだ。
今後は「イスミ」の動きに追随する中規模の量販店が出てくるだろう。目玉となるところがどんどん市場外流通に先取りされていくだろう。さぁ、市場の卸や農協はどう対応していくのか!
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2011年5月5日木曜日
長編ドキュメンタリー映画「プージェー」を観て
草原を駆け抜けた少女
長編ドキュメンタリー映画「プージェー」(山田和也監督作品、製作配給:puujee製作委員会)を観た。
上映会の主催:墨田区のすみだ環境ふれあい館企画運営委員会。ラストシーンにセンチメンタルな私としては泣けた。どんな大作にも負けない内容で、こんな感動した映画は久方ぶりだ。
関野吉晴さんも来場され著書のサイン会、トークショウも行われた。私もその著「我々は何処に行くのか」にサインをしてもらい握手までいただいた。
いつもちっとも力まず、自然体の関野さんであるが53000キロを自力で踏破された手応えが伝わってきた。先住民との出合いでは、近くでいく日もテントを張りチャンスを伺う。出会い頭に危険もある。命をなくすことだってあるのだ。「何でも手伝いますので、どうか泊めてください」と言って相手に食い込んでいく。そして何にもお手伝いできないので、子どもたちと遊ぶことになるのだそうだ。
さて、このグレートジャーニーを続けた関野吉晴さんのプロフィールを紹介しておこう。
1949年東京都墨田区生まれ。1975年一橋大学法学部卒業。1982年横浜市立大学医学部卒業。一橋大学在学中に探検部を創設し、1971年アマゾン全域踏査隊として1年間の南米遠征。その後20年間に32回、南米への旅を続ける。その間、現地での医療の必要性を感じて外科医となる。
1993年からは、アフリカで誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸まで拡散していったおおよそ53、000キロの行程を、自らの腕力と脚力だけを頼りに遡行する旅「グレートジャーニー」を始める。
1993年12月に南米最南端のチリ・ナバリーノ島を出発し、8年3か月をかけて、2002年2月10日、目的地であるタンザニア・ラエトリにゴールした。そして2004年7月に、日本人の来た道を辿る「新グレートジャーニー」をスタート、2009年までに3つのルートを踏破した。
草原を駆け抜けた少女
探検家・医師の関野吉晴さんが出合ったモンゴルの少女・プージェー
映画監督(地球交響曲ガイアシンフォニー)の龍村仁さんの映画評を添えておこう。
「この、たったひとりの少女と出会うために、関野は350万年の旅を遡行し続けたのだろう。そう思えるほどこの感動は深く壮絶である」けだし至言であり、さすがは映画監督だ。これ以上の言葉はいらないだろう。
1999年市場経済導入から10年近くたったモンゴル。チンギス・ハーンの時代から守り続けてきた大草原や人々の暮らしにも、様々な変化が現れてきていた。これはモンゴルの草原で起こった小さな、しかし深い出逢いの物語である。
探検家・医師の関野吉晴さんは「グレートジャーニー」の途上、モンゴルの大草原でひとりの少女と出合った。自在に馬を操る少女の凛々しい姿に魅了された関野さんは、写真撮影に熱中するあまり彼女の仕事を不用意に妨げてしまう。そのとき、彼女の声が飛んできた。
「写真撮るなら、こっちに来ないで!」少女はプージェーといった。当時6歳。関野さんの一人娘と同い年だった。50歳の日本人とモンゴルの少女との交流が始まった。
プージェー一家の住むゲル(移動式テント住居)に通ううちに、関野さんは彼女の家が馬泥棒にあったことを知る。市場経済導入後に、馬を盗み遠くの市場で売り飛ばす輩が増えているのだ。馬を奪われることは生活の困窮を意味する。しかし、そんな状況でも一家は関野さんを快く受け入れてくれた。プージェーの母・エチデメネグさんは、別れのとき、アフリカまで旅をするという関野さんに「乗っていって下さい」と馬をプレゼントしてくれた。
翌年、2000年春、プージェー一家を再訪する。そして、プージェーの母親が死んだことを知らされる。落馬して内臓を傷つけ、病院に行ったが、保険がないことを理由に診療を拒否され、事故から12日後に息を引き取った。32歳の若さであった。外科医でもある関野さんはおそらく歯軋りしたに違いない。そして彼はプージェーが日本語の通訳になる夢を持ったことを知る。プージェーの遊牧民らしさが好きで通っていたが、そのことが、皮肉にもプージェーが草原を離れる原因を作ってしまったのかも知れない。しかし、関野さんはプージェーが望めば、日本に留学してもらおうと密かに考え始めていた。
4年後、グレートジャーニーを終えた関野さんは、新しい旅のスタートにプージェーのゲルを選んだ。そして・・・・。
続きはぜひともご自分で観て下さい。とくに私は親子で観てもらうことをお薦めいたします。
お問い合わせ puujee製作委員会tel:fax 03-5386-6700
ソーシアルメディアの役割とマーケティング
今回の東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市の夕刊紙、石巻日日(ひび)新聞が被災後の6日間手書きの壁新聞を作ったのです。
夕刊紙だからできたのかもしれません。未曾有の危機の時に90年の歴史を積み上げてきた地方紙が手書きの壁新聞とは立派な記者魂です。
そして困難を乗り越えて発行された歴史的な紙面として、米ワシントンにあるニュースの総合博物館ニュージアムに展示されることになった。
これは新聞の原点です。もともと新聞は瓦版だったのですから。掲示されたところがまさに「場」でした。
こうした精神を失わなければ、マスコミではなくソーシアルメディアとして受け入れてくれるでしょう。
つまり地域の消費者は高いね、安いねではなく生きた情報が必要だから「いいね!」ということで投げ銭を入れてくれるでしょう。
ここにソーシアルメディアの役割とソーシアルマーケティングの原点があるように思います。
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2011年5月4日水曜日
「五郎の恋人」はブランド・イチゴになり得るのか…?
ところでイチゴは青果物のなかでいちばんの稼ぎ頭であるだけに品種間、産地間競争が激しくまさに流通戦国時代なのである。
さて青果物の場合、新商材を世に出すときに生産者はどこの意見を聞くのが賢明なのか?
意外と知られていないが生産者の多くがここを間違って姿を消してきたのだ。
・・・・・
それはなんといっても小売店の評価である。
市場の卸は生産者に対して立場的に弱いので厳しい意見が言えないのだ。それは無条件委託で集荷しなければならないためだ。仲卸は仕入するお客の立場だからそこまではないにしても、卸が集荷できなくなると困るから気を使わざるを得ない。小売店はいい商材であれば基本的にどこの産地でもいいのである。産地間競争は大いにしてもらったほうがいい。
したがて生産者は小売店のストレートな意見より、耳障りがよくてユルユルの卸の意見を聞きたがる。でもこんなぬるま湯に浸かっている産地は決して一流の産地にはなれない。
「野菜は鮮度、果実は味」で勝負といわれる。野菜は基本的に調理されるものだ。調味料で味付けされるので味ではない。栄養価と植物繊維が大切だ。果実は野菜に比べるとストレートに口に入る。糖度と酸味とコクのバランスが勝負どころだ。さらに規格選別の問題も大切である。その商品が他産地ものと比較して価値があるのかどうかである。
さて安田さんの「五郎の恋人」の評価に耳を傾けたい。生産者は安田さんの声をモニターとして考えるくらいでないといけないのだ。いささか長い文章だがどうかお付き合い願いたい。
「冷静に考えて、現時点で私の立場としては NO! です。
私の店に回ってくるのが変形果の物が多いのですが、正品と呼ばれる物の割合も低いのが現状のようですけれども…それにしてもチョッとこれはないだろって言いたくなるのがあまりにも多過ぎます。
以前、Facebook上でF氏がご指摘になった事もあるのですが、数日前もある方が上と下のイチゴが違い過ぎると言って来られました。そんな高い価格で 売っている訳でもないのですが、他産地のイチゴの選果状態に比べると、今の時代こんなのあり?って思えるような内容であることは確かです。
F氏がご指摘になった頃は、多少の変形は目を瞑って欲しいな…等と安易に考えていたのですが、最近の状態は度が過ぎると言いたくなるような状態です。汚い言い回しで申し訳ないですが、「お前ら、『イチゴ』っちゅうもんを舐めとるんか!」と叫びたくなるくらいです。
生産者としては、きめ細かな選果をしていらっしゃるのでしょうが、まあ、等級分けにしてもなんと細かいと思うような分け方ですが、根本的に選果基準が甘すぎます!
市場にイチゴが足りない時代ならいざ知らず、今や『イチゴ戦国時代』等と言われるくらいに各産地がしのぎを削っている時代に、おいおい、こんな物まで出荷 してくるの?と言いたくなるような状態です。恐らく、他産地では格外としてはねられたり、圃場廃棄される物まで混ざっています。いくら出荷の絶対量が少ないからと言って、この状態は考え直してもらいたいものです。
「五郎の恋人」に関して言えば、品種的には「恋イチゴ」と「さちのか」の2種類が出荷されているわけですが、消費者から見ればいずれも「五郎の恋人」なわけです。つまり、「五郎の恋人」と言うブランド名を冠したイチゴを出荷しているわけですよね。
それならば、そのブランドに対して責任と自覚を持って頂きたい。
今年が1年目だから、という甘えもあるんでしょうか?
逆に1年目だからこそ、厳し過ぎるくらいの選果をしてこそそのブランドが信頼されるようになると思うのですが…
いい例が「ルビーロマン」だと思います。生産者にしてみれば正品率が低すぎると思われる位の、格付け責任者による審査を経て出荷され続けた事によって、「ルビーロマン・ブランド」が形成されつつあります。
あえて、ある程度収量を確保したいのであれば、「五郎の恋人」以外の別ブランドにすべきではないでしょうか?「五郎の変人」等とは言いませんが(笑)、「五郎の友達」とか「五郎の悪友」(これもきつ過ぎか^^;)…
そうすれば、逆にスペシャル・ブランドとして「五郎の女房」、「五郎の奥方」、etc. 等と言った展開も可能なのでは…
それにしても、末端の反応が生産者へ上手くフィードバックされていないのではと思う事があります。初出荷の段階で、一度競りにかけられただけで、その後は仲卸への予約相対による販売が続いています。最近の果実販売の主流がそうだと言えばそれまでなんですが、競りの軽視と言う事がどうも小売業者として は腑に落ちないこともあります。
金沢の卸売市場では、所謂高級ブランドのマスクメロンやルビーロマンは競りにかけられていますが…。競りの持つ価格決定機能や、価格を通じての生産者への市場の意思表示と言うものが疎んじられていくのもどうかと思いますけどね。
やはり、生産者も頻繁に市場へ足を運んで、自分の出荷している商品への評価にも耳を傾け、様々な情報収集に心がけるべきだと思いますが…。
医療関係のA社とのコラボと言う事もあって、ネーミングやパッケージに関しては、今までの県内産の農産物には見られないセンスの良さや斬新さは評価 しますが、何か肝心のところが欠落しているような気がします。それは、最終的には誰のもとへ届き、だれがお金を払うのかと言う事だと思います。少し、出し 手側の思惑が先行しているような気がしてなりません。
マスコミやその他の心地よい反応だけに耳を傾けていると、あとでしっぺ返しを食らうことにもなりませんよ。否定的意見にこそ真実が隠されているという事もありますから。
何となく、充分な準備も整わないまま見切り発車された感も否めませんが、容器やその他の細かい点にもまだまだ改善の余地は残されていると思います。是非とも、消費者と言う最終段階へどんな形で商品が届くのかを再検証して頂きたいと思います。
辛口の事ばかりになってしまいましたが、これも「五郎の恋人」が金沢を代表するブランド・イチゴとして確固たるものになった欲しいとの思いからです。悪しからず…」
上物の規格選別を厳しくしたあとの規格外品の販売なら、違ったネーミングにしなければいけないだろう。
この安田さんの指摘を素直に改善して取り組んでいけるなら産地としての評価を高めるだろう。いまや東京・大田市場でもせりにかけられるのは全入荷量の2割もないだろう。せりにかけられるのは特定の品目だけだ。あとは予約相対と称する先取りで流通する。価格は流通させたあとに全体のバランスで決定されていく。こうして市場ではせり全盛時代のように商品の評価機能はなくなりつつある。では完全になくなるのかというとそんなことはない。むしろ消費者からの指摘があるからかなり厳しくなっている。無言でリピートされなくなるのだ。
ではこれから生産者はどう対処すればいいのか。安田さんも触れておられたが競合産地の動向を市場で確認するのがいちばん分かりやすい。銘柄品は規格選別も厳しくされているしそれなりの努力がされている。そのことを自分たちの眼で確かめることだ。そしてあそこの産地のあれでないといけないというくらいに産地銘柄指定がもらえるほどでないと、今後は生き残れないだろう。
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2011年5月3日火曜日
奥州・藤原文化の食料基地は「江刺」だ!!
歌人・西行を敬愛した松尾芭蕉も平泉にやって来ました。奥州藤原氏や義経の栄華も夢のように儚いと名句を残しました。
ところで平安時代末期の平泉に武士の都を築いたのは藤原清衡でした。
平泉には中尊寺、毛越寺など京都と比べ遜色のない大寺院が立ち並び北の都に燦然と輝いていたのです。
奥州藤原氏初代・清衡が生まれたのが江刺でした。やがて藤原秀衡の時代に平泉は絶頂期を迎えました。残念ながら世界遺産登録は見送られたものの、平泉の文化にはそれ以上のものがありました。
その平泉文化の食料供給基地的役割を果たしたのが江刺であったともいわれます。食料が潤沢に供給されなければどんな文化も栄えません。そこで食料供給基地としての役割を現地で考えてみたい。それが私の20年来温めていた秘かな構想でした。
気心の知れた参加者とともに、平泉文化の一部を実感できたことは望外の喜びでした。
中尊寺に行く途中の高台から遠く束稲山を眺めると、北上川の先に豊に実る広大な水田が広がっています。古戦場に立った歌人西行はいったいここで何を感じたのか。静寂感漂う毛越寺では往時が偲ばれました。
ところで福島大学名誉教授・工藤雅樹さんは『平泉で栄華の頂点を極めた藤原秀衡』のなかで次のように指摘される。
「北の経済システムとは奥州が産する豊富な砂金や日本一の駿馬とされた糠部の馬産。さらに都では垂涎の的となる高級馬具材のアザラシの皮や、矢羽根として珍重された鷹の羽といった、北方世界との交易で得る産物を含めたものだ。
莫大な富を生む北の経済システムを安定的に維持し、これらの品物を確実に京に届けられる存在として清衡は選ばれた」とみごとな解説をされている。
豊富な砂金は中尊寺金色堂に活かされ、日本一の駿馬の馬産の伝統は畜産農家に引き継がれ、「江刺牛」や「前沢牛」として結実しました。
また江刺市の中心地の岩谷堂は古代から地方を支配する豪族の居館がおかれ、北上川の舟運による物資の集散地として開けました。北上川の果たした役割は大きい。
さて岩手江刺農協は 1982年に市内7農協が合併して誕生しました。北上川流域の肥沃な土壌を活かし「米、牛、野菜、りんご」の4本柱を組み合わせて江刺型複合農業が実践されています。「江刺金札米」「江刺牛」「江刺野菜」「江刺りんご」のブランドが確立され、地産地消運動とともに全国へ向けても積極的に対応されています。
果菜類中心で夏秋キュウリ、促成キュウリ、抑制キュウリ、トマト、ミニトマト、露地ピーマン、トンネルピーマン、ハウスピーマンの産地です。
トマト・りんご選果施設である同農協の園芸センターを視察しました。同センターは平成14年度の事業で取り組まれ、平成15年6月に完成したものです。処理量はトマト7,200cs/日、りんご6,000cs/日の能力があります。
案内していただいたのが園芸部副調査役・駒込利昭さん。NHKの大河ドラマ「炎立つ」に私も動員がかかり、エキストラで出演しましたという駒込さんの説明によると、サンふじ(30%)、ジョナゴールド(23%)、つがる(20%)、その他にきおう(岩手県育成)、さんさ(農林水産省育成)、トキ(青森県育成)があり、来年には新品種が登録される予定という。
訪問したときにはさんさの選果が始まっていました。試食させてもらったが食味はとても素晴らしかった。
りんご産地は標高30mの平場から450mの山間地まであり、品質的に大きなブレがないのが特徴だと自慢する。30年の共販の歴史があり共販率は70%余と見事なものです。やはり銘柄品をつくる産地は強いのです。
農協系統組織の磐石なところは、アウトサイダーの暗躍できる場面がない。組織づくりは見事なもの。まさに伝統の力は恐るべしと実感できる産地でした。
★本稿は2009年10月に取材したものです。
2011年5月2日月曜日
伝統文化「大鹿歌舞伎」を守るお手伝をしたい!
開催日時:平成 23 年 5 月 3 日(火) 開演:正午~
開催 場所:長野県下伊那郡大鹿村大字大河原大磧神社舞台
世界を動かす匠の技術に学ぶ
ラジオを聴いていたら、岡野工業・岡野雅行社長の弾んだ声が飛び込んで来た。岡野工業は東京・墨田区向島のプレス加工技術で、あの「痛くない注射 針」など独自の製品を開発した会社。岡野社長は匠の技術をもっている。この下町の6人の企業に、世界の大企業やNASAなども注目を しているのである。
岡野社長は金属の「深絞り加工技術」の世界的職人として知られ講演、著書多数で大忙しである。
「深 絞りの技術」は化粧品の壜、万年筆のキャップ、ウォークマンなどに使われた技術で、ミクロン(1000分の1ミリ)の技術だ。痛くない注射針は 医療機器メーカーのテルモが依頼したもの。長さが20ミリ、穴の直径が80ミクロン、外径が200ミクロンと、蚊の針と同じ細さ。糖尿病患者にとても喜ば れた。
岡 野社長は不可能といわれた技術開発に挑んだ男である。理論物理学の泰斗が細すぎるから丸めるのは不可能と断言したがそれを成し遂げたのだ。職人は「人がや らないことに挑戦しなければだめだ」と言う。何でも屋では人に負けない独自の技術開発はできない。他社が出来ない仕事をする。
し かし、特許をとろうという セコイ気持ちはサラサラない。技術を真似するものがいたら、どうぞ真似をしてくれと自信をもっている。大企業が相談にくるが他社で出来ないものなので、価 格は岡野さんが決める。ここがポイントだ。嫌なら他社へどうぞだ。大企業の下請けではない。対等なパートナーだ。もみ手をして仕事をもらわないところが商 人と違うのだ。まさに匠の技術をもった職人なのだ。
大企業のコスト目標、開発予算の中ではチャレンジしろと言われたとし てもそれは無理な話。しかも失敗は許されないとなれば、技術屋はお茶を濁して終 わりだ。無難なものを作ろうとする。その結果、たいしたものは出来ない。デザインが変わったり、ボタンが増えるだけ。そういう企業風土で社長も雇われ社長 だから、命を賭けたチャレンジ精神は育まれない。まして銀行はソロバン勘定だけしかないから、技術開発の頭がない。
バブ ル崩壊で銀行が中小企業に対してとった処置は、あこぎな貸しはがしでしかなかった。税金投入でなんとか救出させられたくせに、ゼロ金利で利益が 出てきたからといって大きな顔をするなといいたい。バンカーたちには教養のかけらもなかった。教養があるとは自分たちのやってきた愚かな行為に対して、少 しは恥じらいを浮かべることが出来るもののことを言うのだ。
サラリーマンは自分の在任期間中に何とか実績を出すことしか 考えないから技術開発などはムリだ。そのくせ手柄だけは自分で吹聴したがる。岡野社長は 失敗したときのリスク覚悟のチャレンジは、オーナー社長にしか決断できないことを弁えているのだ。大企業のウイークポイントを見事に押さえている。
私 はそうした意味で前回、仲卸で『西洋野菜の草分け築地DAIYU』と大田市場の『有機野菜に賭けた角市』を取り上げた。むろん岡野工業ほどの匠の 技術があるわけではないが、西洋野菜、有機野菜に関しては全国の仲卸の誰にも負けないというプロ意識を持った人たちであった。ただスーパーの下請けの仕事 で、商いが大きいだけでは職人としての意識は育たない。わずか6人の企業でも、岡野工業のような独自の技術で世界を動かすような企業があることも忘れては いけない。
豊田佐吉、松下幸之助、本田宗一郎、盛田昭夫あげたらキリがない。みんな町工場から立ち上がっていったのだ。
ところで岡野雅行さんは親父さんの言葉をいまでも家訓として守り続けている。
■国を信用するな■保険には入るな■銀行は信用するな■保証人は引き受けるな■会社は大きくするな■嫌な仕事はするな
岡野工業では土日は休みで残業はしない。金型をつくるシステムプラントを販売している。
最後に岡野社長は面白い指摘をされた。もう技術的にはメタモやバイオ時代は終わっている。そこで米を年3作する3毛作に取り組んでいるということだから、しばらくは成り行きを注目しておこう。
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2011年5月1日日曜日
青果物の鮮度保持へのアドバイス
~3作用「呼吸作用・蒸散作用・エチレン作用」を考慮して~
寺田 秀三
主催者は糸島農業産学連携推進協議会という少し堅そうなネーミングの団体。
(写真:寺田秀三部長)
糸島郡志摩町でハーブを栽培している久保田さんは、日本農業大賞天皇杯を受賞されるほどの凄腕。福岡県内はもとより全国的にも有名な生産者。この協議会の会 長を務める久保田さんとは、20年以上の付き合いをさせていただいているというご縁から、私も話題提供者として参加させていただきました。