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農業新聞は東京都が公表した仲卸の経営状況を次のように分析した。
「東京都中央卸売市場・青果の仲卸業者の、2009年の経営状況が 明らかになった。営業利益が前年に比べ半減した他、全体の4割が経常赤字に陥る過 去5年で最悪の結果になった。負債が資産を上回る債務超過も依然として3割を超しており、厳しい財務内容といえる。市場間格差が出始めていることを踏ま え、産地は卸売会社の経営状況と併せて市場絞り込みの参考にする必要がある。
仲卸業者の経営状況を公表しているのは東京都 と大阪市の中央卸売市場開設者だけ。東京都の場合は毎年、年度末に前年の結果を仲卸業者数の推移とともに報 告する。それによると、09年の青果物を扱う業者数は367(法人353、個人14)で、バブル期に比べて約3割減少した。ただ、集荷力の強さと販売先の 多さから他の中央卸売市場と比べ桁違いの数で、仲卸業者の経営・財務状況を把握する上で欠かせない資料だ。
まず、利益の 源泉である売上総利益率(粗利率)は前年に比べわずかだが上昇、11.90%になった。5年前(11.60%)と比べても上がっており、 リーマンショック後の販売金額の低迷はあるものの、それを上回る仕入れ価格(卸売価格)の低下が粗利率を押し上げたといえる。しかし、本業の儲けを表す 営業利益率は0・28%、また営業外収益を含めた経常利益率も0.42%とそれぞれ前年に比べ半減した。いずれも過去5年で最悪だ。スーパーなどとの取引 で予想以上にコストが膨らんだことが要因とみられる。」
スーパー対応の仲卸には商品の評価機能などなくなってきている。リパック、配送機能と金融機能を代替えさせられている状態だ。
大手量販店の売れ行きが悪いのでそのシワ寄せが仲卸にきている。
小 売りは生鮮に特化して5、6店舗を展開するスーパーが経営内容はいちばんいい。仲卸の業態とは本来そうしたものである。自社の専門性を生かして小さく手堅 く対応していくのがいい。大型店対応をしていくと深夜労働が多くなり労務倒産する可能性がでてきている。築地も大田も店舗を拡大してきたところが急速に力 をなくしている。ここで一挙に淘汰が進むだろう。
一方では市場外流通でまともに努力してきたところが元気がいいのである。 卸でまともに評価されなかった優秀な人材が確保できるので成長するところも多くなった。いつまでも市場というムラ社会に拘っていたら衰退していくだけだ。 ソーシアルメディアも使いこなせないようではどうにもならない。リアルの取引だけがビジネスではない。水面下では大きな変化がすでに起こっているのだ。
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