大規模乾田直播は一言で言えば、蟻地獄
背後に遺伝子組み換え企業=農薬企業、農業機械企業が資金を投入
日本では「乾田直播こそ世界のスタンダードだ」と言っている人がいるけれども、調べれば調べるほど、それはとんでもない認識であることがわかってくる。
大規模乾田直播は一言で言えば、蟻地獄。ラウンドアップ耐性遺伝子組み換えで起きた問題がとっても可愛く思えてしまうほど、それよりはるかに深刻な問題が北米、南米で起きていることに驚かざるをえない。
「ゲノム編集」稲が来年から米国や中南米で投入される可能性があることを昨日、投稿したが、詳しく調べてみると、「ゲノム編集」稲を投入したとしても雑草稲を抑えることは難しい。
雑草稲とは穫りこぼれた稲が田んぼに残り、野生化したもの。
脱粒しやすいため収穫を減らし、また色が付き、食味も変わるため、農家の収入に打撃になる(雑草稲も含めて自然な稲だと考えて味わうのも一つの方法だし、小規模であれば有機農業・自然農法もありうるので、乾田直播が悪いということでは決してなく、問題は大規模農薬依存型乾田直播とそれを進める政策である)。ヒエやホタルイなどの雑草であればそれだけに効く選択性の農薬を使うことで対処はできる。
でも雑草稲は同じ稲だから、雑草稲に効く農薬は育てたい稲も枯らせてしまう。
だから乾田直播の規模も歴史も長い北米や中南米で導入されたのが農薬耐性稲だ。
農薬耐性稲は特定の農薬をかけても枯れないように遺伝子を変異させている。
その農薬を撒けば雑草稲だけ枯れて、収穫したい稲は無傷で収穫できる(外来生物の遺伝子を挿入していないので、この遺伝子操作は遺伝子組み換え作物として規制されていない)。
しかし、問題なのはその雑草稲も収穫したい稲も同じルーツの同じ稲。
稲は自家受粉とは言え、密集した環境では交雑する。
雑草稲がすぐに農薬耐性雑草稲に変身してしまうのだ。米国南部州で導入された遺伝子を改変した農薬耐性稲(ClearField系品種)は使い物にならなくなった地域も出たので、ドイツの遺伝子組み換え企業BASF社が新たな農薬耐性品種(Provisia)を導入したが、農薬耐性雑草の発生は時間の問題だろう(環境規制の厳しいカリフォルニア州ではこれらの品種はまだ広がっていないようだ。水管理や独自の品種改良で対応している)。
特に温度や湿度の高い南米では米国よりも雑草稲の繁茂が深刻になっている。そのため、遺伝子改変品種の導入が進んでしまっている。
この状況でCibus社は現在、米国や中南米各国政府に「ゲノム編集」稲を昨年届け出している。
すでにゴーサインを出した国もあり、来年以降、栽培が始まる可能性がある。
しかし、これも特効薬とはならないことは自明で、農薬耐性雑草稲が広がるのは時間の問題になる。
結局、イタチごっことなって、遺伝子を次から次へと壊していくことになってしまうだろう。
そして遺伝子だけでなく、さまざまな農薬によって環境汚染されることが必至である。
このCibus社の「ゲノム編集」稲にはPFAS農薬が使われる可能性も否定できない。
まさにそのありさまは蟻地獄ではないか。
次から次へと投入するものがすべてダメになっていくのだから。しかし、そもそも水田でやっていれば、この問題の深刻化は防げるのだ(もちろん、水田でも代かきが不十分だったりすれば雑草稲は問題となるが、水田+田植えは雑草稲対策として有効だ)。
なぜ、米国が乾田直播にしたかというと、水を満たす水田は米国では難しいからだ。
ところがブラジルには水はある。
ブラジルでアグロエコロジーを進めるMST(土地なし農村労働者運動)は近年、アジアの水田のすばらしさに気が付き、乾田を水田に替える試みを始めている。水田にすれば農薬や遺伝子改変に頼らず、雑草稲を抑制しやすくなるし、なにより収穫も増えると言ってブラジル人たちが驚いている。
今後、ブラジルではアジアのような水田が増えていくかもしれない。
アジアの水田のすばらしさをブラジルも気がつき始めた、そんな時に、日本が水田を捨て、乾田を世界のスタンダードとして、導入するというのはなんと愚かしいことではないだろうか?
労働効率だけの観点から乾田を進めて、環境が壊れてしまえばもっと大きなコストがかかる。
本来、世界の状況を見ているはずの農水省はなぜ、まずい世界の愚行を日本に導入しようというのか。
でも今、節水型乾田直播を拡大させる動きは止まらない。
なぜかというと背後に遺伝子組み換え企業=農薬企業、農業機械企業が資金を投入しているからだろう。
安いお米は決して安くない。
そこには隠されたコストが入っていないから安い。
米が作れない未来を作ることを想像すれば、そんな道には進むべきではないことは明らかだろう。
しっかりと農家戸別所得補償をやることは現在の政府の予算でも十分可能である。
大規模化とスマート農業やバイオテクノロジーに数兆円規模という膨大な予算をつぎ込み、小規模農家は見捨てているのが現在の予算。
それよりはるかに少ない6000億円を農家戸別所得補償に向ければ農家を守れるし、離農を食い止め、増産できれば米価の価格は落ち着く。ここで間違った政策を放置することは、日本の食にとって、危機的である。
ということで、全国の稲作農家の声、そして消費者・市民の声を農水省に届けるための院内集会が2月24日に開きます。
すでに会場、オンライン合わせて500人近い申し込みがありますが、どちらもまだ余裕があります。
ぜひ、ご参加ください。日時:2026年2月24日16時〜 (日程変更になりました。ご注意ください) 参加費無料
場所:衆議院第2議員会館多目的会議室(会場変更になりました)およびZoomによるオンライン会議
16:00〜17:00農水省関係者を交えた質疑
17:00〜 生産者(特に稲作農家)、市民、国会議員による意見交換
申し込みフォーム:






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