作物に対して
余計なものを載せない
石井吉彦|種と土と野菜の学校「石井ピュアファーム」代表
人間が畑に持ち込んでいる化学物質とは
無肥料栽培で何も入れない、と言うとき、畑に入れる資材の話だけではありません。
人が自分の体や服から持ち込んでいるものも含みます。
タバコを吸いながら畑に入る。吐く息や手に残った物質が作物に触れる。
特にタバコモザイクウイルスは、タバコから人の手を介してトマトやナス、ピーマンなどのナス科に移ることが知られています。
柔軟剤も同じです。
強い科学的な臭いを発しているものを、平気でまき散らしながら畝に入る。服や肌に付いたものが、触れた葉や実に移る可能性はあります。
人間は化学物質に慣れ過ぎて、感覚が鈍くなっています。
自分では気にならない臭いでも、作物の側から見れば余計なものです。
無農薬、自然栽培、無肥料と言いながら、日常で使っているものをそのまま畑に持ち込んでいる。
それでは、足さない栽培の意味が半減します。
安心安全は、農薬や肥料を使わないことだけでは成立しません。
畑に立つ前に、自分の手、息、服から何を持ち込んでいるかを見直す。
タバコも柔軟剤も、その一つです。
作物に対して余計なものを載せない。
その意識から、何も入れない栽培は始まります。
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