名脇役
タデ |
秋の夜長に聞きこえる虫の音には、心地よさを覚えますね。虫と言えば、「蓼(タデ)食う虫も好き好き」ということわざを聞いたことがあるかと思います。
これは、とても辛いタデの葉を好んで食べる虫に例え、人の好みはさまざまで、一概には言えないことを表すもの。
この辛いタデはヤナギタデを指します。
ちなみに、「万葉集」にタデを詠んだ歌があることから、奈良時代には栽培もされていたと考えられています。
また、ソバ粉の原料になるソバもタデ科の植物で、日本人にとって古くから馴染みのある植物と言えます。
刺身のツマに使われる紅色の芽生えは、ベニタデと呼ばれ、ヤナギタデの栽培品種です。
紅色の葉は料理を彩ることに加え、殺菌・抗菌作用としても効果を発揮します。
さらに昔、胃薬として用いられていたこともあり、生ものと大変相性が良く、まさしく“名脇役”と言えるのではないでしょうか。
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