2013年11月26日火曜日

タンパク質の糖化によって老化が進む



原 三郎さんからシェア



グルコースには3つの顔があります。

水に溶けていると、下の図にあるように、どんどん変化して3つの構造の間を行ったり来たりします。

右の構造と左の構造の間には、-OHの位置が一カ所だけ違っていますが、これで右と左は全く異なった構造になります。

右や左の構造のグルコースはおとなしそうに見えるのですが、中央の直鎖型のグルコースは少々ヤンチャです。

中央の直鎖状グルコースのてっぺんのところに―C=O(カルボニル基)と言う構造がありますが、
これがトンデモナイことを起こすんです。

カルボニル基はアミノ基(-NH2)がだいすきで、見つけたらすぐに反応してくっつきます。

この反応はアミノカルボニル反応と呼ばれ、食品の世界ではコクを出すための重要な反応です。

コラーゲンなどの繊維状のタンパク質は直鎖状ですが、一般のタンパク質の分子は球状です。

どちらの形をしていても、タンパク質表面にはアミノ基が付き出しています。

これは、タンパク質にはリジンと言うアミノ酸が含まれていて、リジンの末端にあるアミノ基が露出しているためです。

タンパク質の糖化は、直鎖状のグルコースのカルボニル基とリジンのアミノ基とが反応することにより始まります。

糖尿病でおなじみのHbA1cはヘモグロビンへのグルコースの結合量(%)を示していますが、
身体を構成するすべてのタンパク質も同じ程度に糖化されています。

タンパク質の糖化によって老化が進むことを忘れないでください。

原三郎さんのプロフィール

NPO法人 日本マルベリークラブ

代表理事 President · 2004年6月から現在
桑・カイコ・絹の新しい機能の解明とその利用方法の研究、それらの効果の普及活動

Studies, development and promotion of new functions and utilization of mulberry, silk-worm and cocoon.

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