遺伝子組み換え作物の拡大を許してなりません。
農水省が、8月4日(土)締め切りで、遺伝子組み替え作物の【アルファルファ、大豆、トウモロコシ(3件)】の安全性評価審査について、パブリックコメント(国民からの意見)を募集しています。
どうかみなさん、締め切り日までに、パブリックコメントに意見を書いて農林水産省へ送信してください。
オリンピックも始まって、日本サッカーがいいスタートをきっていて嬉しいですが、このオリンピック開催期間中に、日本ではとても大事なことが決まろうとしています。大きなことは2つありますが、そのうちの1つ遺伝子組み替え作物のことについて、少し長くなりますが、話を聞いてください。農水省が、8月4日(土)締め切りで、遺伝子組み替え作物の【アルファルファ、大豆、トウモロコシ(3件)】の安全性評価審査について、パブリックコメント(国民からの意見)を募集しています。どうかみなさん、締め切り日までに、パブリックコメントに意見を書いて送信してください。学識者による安全性審査によれば、「学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。これらの結果に基づいて生物多様性影響が生ずるおそれはないと判断しました」となっています。でも、学識者のみなさんが、本当に公正な審査と評価を行っているのか、私は正直言って信じることができません。なぜなら、学識者と呼ばれる人たちには、またはその研究母体となっている大学などには、研究費や寄付として企業から多額のお金が支払われているからです。東電が、東京大学大学院の工学研究科に、およそ5億円もの寄付をしていたことが明らかになっていますが、それは原発の安全性評価に影響なかったのでしょうか。こうしたことがバイオテクノロジー分野でも起きているというのは疑い過ぎでしょうか。莫大な支援を受けている企業にとって都合の悪い研究や発表を行うことが、いまの日本の学識者や大学にできるのかどうか、私は詳しくないですが、うがった見方をしてしまいます。遺伝子組み替えの技術はまだ新しい技術です。いま、問題が起きなくても、2世代、3世代…と影響を及ぼす危険性がないのでしょうか。また、遺伝子組み替え種子は、いったん自然界で交配を始めると止めることができません。また、遺伝子組み替え作物は、タネを自家採種(自分でタネ採りすること)ができないので、常に農家は遺伝子組み替え作物のタネを買わなくてはいけなくなってしまいます。それは、遺伝子組み替えの世界シェア90%を占めるモンサント社などの一部の企業が利益を独占することにつながります。モンサント社は、遺伝子組み替え種子の特許を取得しています。カナダでは、隣りの畑から飛んで来た遺伝子組み換えのタネと、自分が栽培していた一般のタネが交配したことで、モンサント社から「特許侵害」ということで、訴えられるという不条理なことが多発しています。小さな農家が大企業に特許侵害を訴えられて勝てるはずがありません。また、インドでは、モンサント社が害虫を殺す遺伝子組み替え技術を使った綿花種子(BTコットン)に綿花市場が独占されて、このタネしか買うことができなくなりました。にも関わらず、モンサントはタネの値段を4倍につり上げたのです。大変多くの農家が負債を抱えて自殺に追い込まれているという、とんでもない事態になっています。こうしたニュースを日本のマスコミは伝えません。モンサント社と提携している住友化学などが大きなスポンサーだからです。住友化学の代表取締役会長である米倉弘昌氏が、日本がTPPに参加することを強力に推進している理由のひとつは、アメリカの要求に沿って遺伝子組み替え作物に、日本の市場を開放したいからではないかと気がついているひとは少なくありません。TPPに日本が参加すれば、住友化学は巨額の利益を得ることができるでしょう。こうした一連の流れは、原発の危険性が隠されてきた構図と重なります。アメリカは、バイオ産業を21世紀の国策と位置づけています。そして日本は、アメリカにとってバイオ産業における重要なパートナー(従順なパートナーというほうが正しいかもしれません)です。私たち日本人は、いま、食を選べるかどうかのぎりぎりのところにいます。パブリックコメントは、政府が国民の意見に直接耳を傾ける場です。もちろん、“承認ありき”で進められている可能性も否定はできませんが、企業などはこうしたパブリックコメントを組織的に行って、遺伝子組み替え作物の市場流通をごり押しします。実は、遺伝子組み替え作物の申請は2004年頃から始まって、いままでもトウモロコシ、ナタネ、大豆、テンサイ、綿実など、かなりのものが承認されてしまっています。ですが、まだ一般の圃場では栽培はされていません。最初から諦めずに、短くてもいいので、自分の意見を政府に述べてください。 そして、わからないことは遠慮せずに農水省に聞いてください。多くの人が遺伝子組み替えに不安や疑問をもっていることを伝えるだけでも、意義があると思います。農水省に電話で質問すると、丁寧に答えてくれます。私は、パブリックコメントに、下記のようにコメントして送信しました。1) 遺伝子組み替え作物の学識者たちの審査と評価を信頼できません。遺伝子組み替え作物のタネが、日本の自然に与える影響について、学識者が安全だと言っている根拠をもっとわかりやすく示してください。2) モンサント社のトウモロコシの申請はH23年11月22日となっていますが、半年程度の審査と評価でこのような決定がくだされるものなのでしょうか。もっと長い年月をかけた審査と評価が必要だと思います。3) 一度、日本の自然界で遺伝子組み替え種子が繁殖し交配したら、問題が起きたときに取り返しがつかないことになります。そうなれば、生産者はもとより、消費者も遺伝子組み替えではない作物を選ぶことができなくなる可能性があります。4) 以上の理由により、今回の審査結果を根拠とした農水省の申請承認に反対します。