2012年1月6日金曜日

今年はソーシアルメディアの普及拡大で農業にも大きな変化が


わが国の農業は大きく分けて①稲作、②園芸、③畜産の3本柱になります。そして農業産出額をみると②の園芸がいちばん大きいのです。

それは政策の目玉であった米のウエイトが凋落してきたためです。

ご承知のとおり戦後の食料難を克服しましたが、皮肉にも1970年になると米余りが顕著となり減反政策が開始されました。つまり米の消費はこの40年間で半減してきました。まだ消費減は続いています。

稲作においては農業技術の向上とともに機械化体系が進み、農作業はかつてのような重労働をしなくても出来るようになりました。

つまり米消費の代わりに私たちは石油を消費してきたわけです。今後、少子高齢化社会を想定するなかで、このままでは米消費拡大は望むべくもありません。

平成16年、ついに米の産出額は野菜にも抜かれてしまいました。主食のコメの産出額が副食である野菜にも負けてしまうというのは由々しき問題です。わが国の農業はいびつな形になっています。

畜産はご承知のとおり飼料の90%以上を輸入に依存し、さらに製品も輸入されるとなるとリスクの高い加工型農業に変貌しました。

ところで食料自給率が先進国最低の40%しかないなら、米も野菜も生産拡大をしなくてはと考えがちですが、生産拡大したらいちばん生産者が困りますのでそうしたバカな生産者はいません。農業白書にも生産拡大という言葉はなくなり、食料の安定供給という言葉が踊っています。


いま私が日本農業再生で取り組んでいるのは、政策の脇役ではありますが自主・自立の最も強い②の青果物の生産流通です。

野菜の消費も総量的には横ばい状態です。しかし、食の洋風化とともに品目によっては伸びている品目もあります。そこを予見し生産・流通させることが必要なのです。

たとえば福岡県にはいちご栽培でトップレベルの技術をもった生産者がいます。10アール当たり600万円(坪2万円)稼ぎ出します。時給換算すると2千円になります。こうなると雇用労働ができます。

同様に稲作をみますと、10アールでせいぜい15万円稼ぐのやっとでしょう。だから規模拡大という話になります。余りにも基礎的なところが違うため、稲作、園芸、畜産を農業という括り方で捉えられないのです。

今後、農業の世界的な潮流としては環境に配慮したエコ農業をめざしていく必要があります。そうした意味では野菜栽培は環境に負荷をさほどかけません。化学肥料も農薬を使わない自然栽培は奇跡のりんごの木村秋則さんが推奨されている栽培方法です。木村さんの苦節30年に及ぶ努力で農薬も化学肥料も使用しない栽培方法が全国に普及しつつあります。

昨年、石川県のJAはくいでもこの栽培方法が導入され注目されました。羽咋市役所とJAはくいが窓口となり自然栽培に取り組まれた意味は途轍もなく大きい。今年は全国の農協でも同調するところが出てくるでしょう。むろん販売方法も既存の販売ルートにも変化が生じています。神子原米はローマ法王に献上されたお米として人気になりました。


さて昨年はフェイスブック元年といわれましたが、ブログ、ツイッター、フェイスブックに動画も加わり、ソーシアルメディアの普及・拡大は農業の生産現場にも影響を与えています。

農業に関心をもった人々が増え脱サラや定年帰農の方もいます。そうした人たちが自然栽培で野菜づくりにチャレンジしています。仲間をつくり情報交換で交流を深めることでコミニティーが形成されてきています。

こうして新しい流通が開発されようとしているとき、既存の市場流通がこれまでの流通に胡坐をかいているのなら、市場流通は50%を割り込むでしょう。すでに平成16年の統計では果実は50%を割り込んでいますから。こうなるともう社会的使命の終焉となるでしょう。つまり公共的投資の意味がなくなります。

さて今年は市場流通はいかにして巻き返しをはかっていくのか注目されるところです。




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