2011年12月16日金曜日

弔問外交で気付いたこと

先日、ある会社の会長が亡くなったので、お別れに行きました。

業界の大物だっただけに弔問外交にもなりました。築地、大田そして取引のあった全国の市場から多数の参列者がありました。

会食のときにイモ・タマを扱う青果会社の社長と話すことができました。彼は東京青果出身ですから産地を掌握していて、端境期は海外からの輸入ものを取扱います。その社長の言葉に大きなヒントをいただきました。「大田市場で買うよ!」

ところで神田市場が大田に移転して23年にもなる。変節するはずだ。

同社はそのとき神田の事務所を引き払い自宅のある埼玉県東部に移転。そのころは各市場まだ力はありましたので売買に不自由はさほどありませんでした。

しかし、いまは産地も市場も状況が一変してきました。

農産物を大量に扱うのなら、どうしても大田市場でなければ仕事にならない時代になっています。「大田で買うよ」と彼が説明した裏にはそうした事情があります。商品とともに情報も・・・・

しかし彼が珍しく大田市場いくと人間模様もすっかり変わっていた。むろんお金さえ出せばどこでも買えるのだが担当者との相性もある。

さて新規就農者は農協や市場出荷はしません。そうした流通に対するノウハウがないこともありますが、独自に販売網を開拓しています。生産者の意識は大きく変わってきています。こうした生産者は農協の営農指導などには期待していませんし、ソーシアルメディアを駆使すれば独自の販売網は形成していくことが可能です。

いま市場のせり人は販売に振り回されていて産地づくりどころではありません。今後こうした動きはますます明確になるでしょう。

では市場流通にはまったく可能性がないのかというと、そうではありません。

ことに地方の産地市場的な規模では、まだ生産者を取り込んでいくことは可能です。私の知り合いでいまがチャンスだと捉えている市場の職員もいます。これまで培ってきた商品の評価機能、販売力、物流、代金決済力の魅力を使えば巻き返しは可能です。ネットで予め調べて飛び込みで生産者を訪問するとそうした可能性が転がっていると彼は判断しています。



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