2011年6月6日月曜日

「仕切り改ざん」について考える



日本農業再生





 仕切り改ざんの発生メカニズム

 



「仕切り改ざん」には二通りある。どちらも脱法行為である。「増し仕切り」の場合、卸が力が弱いために被害者的要素がある。

農協系統ものを集荷したいがために銘柄産地の商品を集荷すると、相場がついていけないと産地から圧力がかかる。すると「増し仕切り」にも対応していかざるを得ない。つまり100円でしか売れていないのに、120円の仕切りにしないと次の集荷ができなくなるケース。

セリ人は農協共販ものを販売力があればこれほど楽なものはない。ところが販売力がないとそうはいかない。実力もない市場なら個撰ものの集荷でもいいのだが、こんなセリ人に限って変なプライドだけはあり背伸びしたいところもある。自腹を卸がきるので会社の経営を圧迫する。

会社もまともにチェックすればすぐ判明するので、他の仲卸に振ったりして問題を大きくしていく。こうしたせり人は結局のところ自己管理ができなくなり自滅していくしかない。

一方、「減仕切り」は出荷者が力が弱く泣きを見るケース。1束100円で販売できたのに90円でしか売れなかったとする場合である。産地より卸の力が強かった時代に横行したものであるが、いまは系統農協の力が強化されたために、減仕切りはなかなかできない。

相場はこうして産地と卸の力関係で決まっていくのである。

だから卸は独自の産地対策を講じていかないと経営的にもうま味がないのだ。セリ人が徹底して産地に足を運び、産地作りに協力すれば生産者だってセリ人について来るのだが、そうした努力をしていないと産地からも相手にされない。玉を確保できなければ販売戦略など組めたものではない。

いまはこうした努力をせずスーパーのバイヤーに振り回されて、とにかく安いものを探して来い!といわれてばかりいる。バイヤーの要望に踊るダンサーになっているのだ。産地対策をしっかり展開していれば自信をもって販売対策も展開できるのである。

こうした基本的なことができないと市場は衰退していくだけだ。

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