国際的な穀物等の需給の見通し(2011/12年度)
消費量の増加から、穀物全体、油糧種子の期末在庫率は低下する見込み。 北半球で春作物の作付けが始まるが、米国、カナダは降雨等で遅れ。EU北部は乾燥による冬作物の作柄懸念。
穀物全体の期末在庫率は 19.4%と前年度(19.6%)並みとなり、FAOの安全在庫水準(17~18%)を上回る見込み。
○主な品目別の需給
(1)小麦
生産量は前年度より増加するが、消費量を下回ることから、期末在庫率は 低下する見込み。
【生産量】670百万トン(+3.3%)
【消費量】671百万トン(+1.3%)
【期末在庫率】27.0%
◇EU北部(英、仏、独)の冬小麦は、土壌水分不足から作柄悪化の懸念。
◇米国の冬小麦は、テキサス州等で乾燥による作柄悪化の懸念。春小麦は米 国北部、カナダで土壌水分過多による作付け遅れ。
◇ロシア、ウクライナの増産見通しで、ウクライナは輸出割当の廃止を決定。
ロシアは7月1日以降、輸出禁止を解除する見込み。
(2)とうもろこし
生産量は史上最高を更新し、消費量を上回ることから、期末在庫率は上昇 する見込み。
【生産量】868百万トン(+6.4%)
【消費量】861百万トン(+2.6%)
【期末在庫率】15.0%
◇米国のコーンベルト東部で、降雨による土壌水分過多等で作付け遅れ。
◇米国の期末在庫率は前年度より上昇するが、引き続き低水準(6.7%)。
◇アルゼンチンの2010/11年産は、乾燥で単収が減少。収穫は終盤。
◇ブラジルの2010/11年産の夏とうもろこしの収穫は遅れたが概ね終了。
また、冬とうもろこしは乾燥による初期生育の懸念。
(3)米
アジア諸国で生産量が増加するが、消費量を下回ることから期末在庫率は 低下する見込み。
【生産量】458百万トン(+1.4%)
【消費量】459百万トン(+2.3%)
【期末在庫率】21.0%
◇中国では作付けが終了し、一部地域を除き概ね順調に推移。
◇米国で収益性の高い他作物(綿花、大豆等)への転換から作付面積減少。
(4)大豆
生産量は消費量を上回るが、消費量が伸びていることから、期末在庫率は
低下する見込み。
【生産量】263百万トン(+0.5%)
【消費量】263百万トン(+3.3%)
【期末在庫率】23.5%
◇米国ではとうもろこしと同様に作付け遅れ。コーンベルト西部で、作け遅れを回復。
◇米国では中国向けの旺盛な輸出需要で、期末在庫率は低水準(4.8%)。
◇中国で大豆(搾油用)需要の増加から、輸入が史上最高となる見通し。
◇南米の2010/11年産はブラジルで収穫終了、アルゼンチンで収穫終盤。
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