2011年4月17日日曜日

伝統文化をいかに守るか

日本農業再生








千二百年の伝統ある和紙の里


清流を利用し手漉き和紙を農閑期の副業として受け継ぐ

 

 









埼玉県・東秩父村の川沿いの農家では、清流を利用し手漉き和紙を農閑期の副業として行い受け継いできた。

この手漉き和紙は「細川紙」の名で知られ、特に江戸開府以来、障子紙や各種用紙類の需要増により、ピッカリ千両と呼ばれる活気を呈し、紙漉戸数も近在あわせて800戸にも及ぶ盛況をみせ、この地方の有力な地場産業となった。

しかし、戦後の生活様式の変化や洋紙などに押され、さらには経済構造の激変から若い後継者が次々に他産業に流出し、その存続さえ危ぶまれる事態となってきた。


そこで東秩父村では、手漉き和紙を地域の誇りとして考え、由緒ある武蔵武士のふるさと、大河原氏館跡付近一帯を「和紙の里」と画し、伝統産業に新たなる光をあて、手漉き和紙の技術の伝承・後継者の育成に努め、併せて地域の活性化を図るため、昭和60年度から和紙の里整備事業に着手した。「和紙の里」は東秩父村と地元商工会の第三セクターで運営されている。

和紙の里は、古くから地域に伝わる木造建築技術によってつくられた8棟の和風の建物で構成されている。昔ながらの手漉き和紙の生産と紙漉体験ができる「和紙製造所」、貴重な資料を展示している「ふるさと文化伝習館」、江戸末期の紙漉農家を移築復元した「細川紙紙漉家屋」、研修や集会などに広く利用できる「研修会館」、茶室を併設した「ギャラリー」などがあり、なつかしい伝統文化に触れることができる。

我が家の子どもも体験学習に出かけた。実際に和紙をすかせてもらう体験をして喜んで帰ってきた。そして後日その記念すべき和紙が届いた。そこに一筆、小学生を対象とした毛筆書きの手紙が添えられていたのだ。心温まる文面であった。


「豊かな自然と伝統の和紙の里からあなたの和紙をお届けします。先日は、和紙センターにおいでいただきありがとうございました。千二百年の伝統ある和紙の里は楽しかったでしょうか。あなたの手ですいた和紙のできばえもなかなかのものでしょう。記念していつまでも大切にしてください。皆さんに、自然に囲まれて生まれ育った和紙のことを知ってもらえることができて、とてもうれしく思います。また、みんなで遊びに来てくださいね。お待ちしています。これからも、体に気をつけて勉強にスポーツにがんばってください。さようなら。東秩父村 和紙の里」


わが「日本農業再生」でも農産物の販売促進に、こうした文面を活用させて貰いたいものだ。ただノボリ旗をおったてて、買ってくださいと宣伝するだけでは余りにも能がない。消費者の心を揺り動かす努力も必要だ。

おいしい手打ちそば・うどんを味わうことができる食事処「すきふね」や、そば・うどんの手打ち体験ができる「体験工房」もある。さらに、滝や池などを配した日本庭園や芝生広場があり、隣接した彫刻の森には、未来へ発展する願いをこめた大小の野外彫刻や展望台もあり、すがすがしい空気を吸いながらのんびりと散策を楽しむことができる。

職員全員が、和紙職人・そば打ち職人として、この歴史と自然を満喫していただけるようがんばっている。 皆様のお越しをお待ちしております。
















0 件のコメント:

コメントを投稿