2011年1月27日木曜日

自然農法(不耕起栽培)に取り組まれた後藤勝則さんの事例

鹿児島で自然農に取り組まれている後藤克則さんとの交流は、私のフェイスブックのファンページに後藤さんが参加していただいたのがきっかけでした。

後藤さんのプロフィールをよく読んでみますと「自然農」とか「不耕起農業」という言葉が目に飛び込んできました。私もかねがね注目している農法でした。それで後藤さんにいろいろ質問をしていきながら、後藤さんの自然農のさわりの部分を取材できました。

後藤さんは自然を感じながら人生を送りたいと農業に感心を抱き、2009年に青森県弘前市でwwoof(農家に寝泊りして農業を体験する)体験を10日間ほどされました。 その受け入れていただいたホストが” 自然農 “実践農家だったのです。

こうして自然農が具体的になっていきました。
畑の心地よさ・作物の美味しさ・「” 自然農 “は後ろめたさがない」というホストの言葉に強く惹かれました。そのとき、生活のためには”効率栽培”の方が現実的ではないかという葛藤もあったようです。

ところが実際に自分の畑に立ったときに「自分の魂が” 自然農 “を求めていると感じ」、今は全く迷いなく” 自然農 “を実践されているようです。

このようにして後藤さんは2009年12月竹林を開墾して自然農を始めました。最初の1年目は自分の農的能力と畑の能力を試すテスト期間と決めて取り組んでいたそうです。

ところが、ある飲食店から声 がかかり翌年の秋口より週に二回程度の割合で配達させていただいています。そちらにはできた作物のほぼ全てをお届けさせていただき、足りない分は他から調達して いただいている状況です。そのため、供給量を増やす目的でこの農閑期に畝たてに勤しまれています。

後藤さんの場合、とてもラッキーだったのはすぐに飲食店から声がかかったことです。後藤さんの人徳のいたすところでしょう。青森の奇跡のリンゴの木村秋則さんのリンゴも東京の会員制レストランのシェフが評価してくれました。

ところで後藤さんの自然農法は川口由一さんにより影響を受けています。川口さんは福岡正信さんに強く影響を受けてますので間接的に福岡正信さんにも影響をうけているという感じです。

川口由一さんは奈良県で自然農塾を運営されています。すでに28年の実績があり3000人の塾生が育っています。詳細はネット検索していただきたいですが、川口さんはもともとは化学肥料、農薬を使用されて近代農法に取り組まれていました。ところが農薬使用で自分の体調を崩されました。

ちょうど有吉和佐和子さんが朝日新聞に「複合汚染」を連載、農薬使用の恐ろしさに目覚めていかれました。こうした農法に取り組まれる生産者の多くは自分の体調不良からです。

こうした生産者が増えて全国から報告があがってくるようになることを願っています。消費者にとってもそれはとてもいいことです。後藤さんの自然農の姿はこれからも追っていきます。みなさんのご支援もよろしくお願いします。


2011年1月22日土曜日

市場ももっとソーシアルメディアの利用を!

昔は市場の先輩たちは朝早くから産地にタネまで持って乗り込んでいき、産地を指導して出荷まで手伝って集荷したものです。夜は暖炉端でやかん酒を酌み交わし信頼関係を作り出してきました。だから「あのセリ人を応援するぞ」という関係が構築できたのです。まだ農協共販がなかったころです。

いま市場の若きセリ人たちは口こそ達者ですが、そうした経過を知りませんので産地形成ができません。いまどこの卸でも人材を育てるという余裕がありません。だから早く自分の成功事例をつくることです。

業務筋の人たちはこうした勢いで海外を走り回っています。たとえばマツタケなどもこうして海外で集荷されています。いつまでも坐った商売をしていたら市場外流通はますます拡大していくだけです。...

利益商材はどんどん市場外流通に流れています。市場流通をするのは人気のない農協共販ものだけかもしれません。

生産者でもいい稼ぎをする人たちは動きが違います。ソーシアルメディアを上手く使いこなしているのです。市場も農協もせりだから仕方がありませんと言っていたら明日を切り拓いていくことはできないでしょう。

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宮崎・田野町の干し大根用だいこんの収穫作業-1-

【撮影:宮崎Yumi Kurokiさん】


日本農業再生をめざして 南国宮崎でも寒いです。

寒空のなか撮影するのも大変な気概が必要です。

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Yumiさんのその努力に脱帽。

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人の心を動かすとても素敵な写真です。

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2011年1月13日木曜日

台湾から今朝の取れたて新鮮情報



【取れたて新鮮情報】

今朝の台湾台北市松山区の小売市場の様子
台湾では日本産リンゴを密リンゴというそうです。上海ほど高値ではありません。

一つ市場は日本産のリンゴはなかった。
一つ市場の日本産リンゴは台湾では「蜜リンゴ」を呼ぶという。

しかし、本当の日本からのリンゴかどうか分かりません。
今朝は3個290円。サイズ大きめ1個125円。
大きいサイズ、1個230ー345円。

サイズ大きめ、アメリカのワシントン産リンゴは4個290円。

スーパーでアメリカのワシントン産リンゴは8個258円。

苺は一箱1.5キロー715円。

メロンは1キロー143円。

葉物野菜は45円。アスパラは150円。

台湾高山のキャベツは1キロー85円。

紫のたまねぎは日本へ輸出される。
1キロー143円。

PS:台湾産レモンは高い。1キロ230円。

写真の値段は台湾元。1元=2.9計算。

【取材:台北市松山区在住の Tosi Hiko Chinさん 】

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2011年1月11日火曜日

夜更けの築地市場視察で想う


日本農業再生


 

 

 

築地市場はどこへ行く?







若かりしころある研究者グループ(高名なる東京大学教授もいらっしゃった)と数名で有楽町の行きつけの酒場で呑んでいました。

(写真:築地市場正門)

なにやら秋には東京で農業経済学会を開くのだということでホテル選定をされていました。

中国からも学者が参加されるということでした。そこで私は中国からも参加されるのなら、築地市場の宿泊場所を思い出し提案してみました。

するとその高名なる先生が興味深くこの話にのってこられました。東京都では世界5ヶ国語で案内のパンフレットも作成しており、早朝の魚類や青果物のせり風景を見てもらうといいのではないでしょうかと説明を続けました。

築地市場は水産を中心に世界に冠たる市場で、兜町に次ぐ日本資本主義のシンボルみたいなとこではないですか。中国の経済学者はさぞかしお喜びになるに違いないと説明しますと、酒の勢いもあってか「それはいいアイディアだ!」とその場が盛り上がりました。

そ のとき私はテオドル・ベスターさんという築地市場を研究する米ハーバード大教授のことを思い出していました。ベスターさんは大学生時代に2年間、卒業後に 7年間、東京で暮らしました。同氏の「TSUKIJI」(04年刊)は、アメリカ人類学協会経済人類学部門の06年最優秀賞を受賞されています。こうした 研究者の協力もあり「つきじ」は文字どおり世界のブランド「TSUKIJI」になっています。

そこで、すかさず「こ れから夜更けの築地市場を視察してみませんか?」と畳み込むと、一同すぐに「賛成!」となりました。10時過ぎみんなで歩いて築地市場に向かいました。と ころで夜の築地市場はさながら日本の縮図となります。全国から出荷のために築地市場へ大型トラックがやってきます。

一般的にはこうした夜更けの築地市場を視察する機会はなかなかありません。夜勤労働の実態をみながら、売り場を案内しました。

そ こにある産地から届いた「柿の葉っぱ」「もみじの葉っぱ」が小さな木箱にラップされて入っていました。農産物は捨てるところがありません。こうした農産物 を商品に仕立てることができる人とそうでない人があります。

築地市場周辺の高級料理屋などでは、料理の盛り合わせの彩りに使います。エディブルフラ ワー(食用の花)よりはるかに彩りは日本の食文化にあいます。


2011年1月10日月曜日

食べることの重要性を考える

韓国・ソウルの青果市場に寒さが厳しくなる秋冬期に行くと、ハクサイの山に圧倒される。かつて日本でも秋口になると、八百屋の店頭ではハクサイが縄で束ねられて販売されていた。各家庭で漬物を漬けていたからだ。ハクサイの大産地である茨城県の県西地区でも相場が当たると、まことしやかに「ハクサイ御殿」が建ったと言われたものだ。


しかし、韓国のハクサイの山はそんなものではない。トラックがハクサイを満載してやってきて、市場はハクサイで埋め尽くされるのだ。また市場の周辺では香辛料を販売する店舗がズラリ並ぶ。各家庭ではキムチが作られるのである。キムチ作りはこの時期の一大イベントで、会社ではキムチボーナスも支給されると聞いた。

世界の三大漬物はヨーロッパのピクルス、中国のザーサイ、韓国のキムチであると言われている。日本の漬物は「香の物」として珍重されるものの消費量においては世界に通用しない。そこでキムチを日本の漬物「香の物」という意識で捉えるとどうも違うのだ。ドイツやオーストリアなどのサワークラウトのように、あらゆる料理のベースに使用されている。ご飯のおかずとしてだけ利用されるのではない。いわば味噌・醤油のように調味料として考えていたほうがいいのかも知れない。世界に通用する代表的な発酵食品である。また韓国は野菜の消費量は世界一とも言われている。

一方、わが国の「野菜の消費拡大」では生食でというイメージが強い。マヨネーズの宣伝に踊らされてはいけない。生食での消費拡大はたかが知れている。やはり、煮たり、焼いたり、炒めたり料理の多様化のなかで使いたいものだ。くだものだってそうである。いつまでも「デザートでござ~い」と気取っていたら消費拡大など永久にできない。もっと前菜で使用することを考えないといけない。従って加工用りんごの品種を開発すべきである。甘さだけ追求されたりんごなどいらないのだ。価格を安くして野菜的用途で販売も考える必要がある。

いかに孤食化が進んだからといってハクサイの4分の1切り、みかんの小袋詰めなどしていたら量販店とは言えない。旬の時期には季節感を演出して束売り、箱売りを展開しなければいつ売れるのか。スーパー繁盛の秘訣は生鮮強化がポイントだ。加工食品では集客力の強化はとてもできない。スーパーの青果担当者はもっと発奮しなくてはならない。パックで転がしているだけでは売れるわけがない。消費者にドンドン試食をさせて、バイヤーは「やさいの歌」でも歌い対面販売の先頭に立たないといけない。どこの量販店も販売不振で売れないものだから、バイヤーの顔は疲労感だけが漂っている。青菜に塩では消費者はだれも寄り付かないだろう。担当者の顔に鮮度感の良さがでていないのだ。

本来、食文化は食べ物だけで成り立つのではなくて、いろいろなものが食にも影響している。韓国で野菜を食べているのは、健康志向というだけではなくて、仏教思想から肉食を抑えるようにということから野菜の消費量が増えた時代もあった。そうしたいろいろな要素が重なり合っていると言われる。

日本では食の欧米化で米を中心とする主食、副食という概念が崩壊してきたようだ。と同時に精神的風土まで瓦解してきたのではないか。ワールドカップでプロのサッカー選手のなかで日本の選手は、ここいちばんの時に技術・体力・心肺能力において韓国選手に及ばなかった。それを映像がはっきりと見せ付けてくれた。

韓国では肉を食べるときにも必ず野菜と一緒に食べる。焼肉をサンチェで巻いてその上にエゴマの葉を乗せその上に刻んだ野菜を乗せて味噌をつけて食べる。煮魚をつくるときにもキャベツや白菜の一番外側の葉など捨てそうなところをきれいに洗ってから下に敷いて煮て、すべて食べる。

日本でも人気がある韓国料理にビビンバがあるが、あれは本来は料理ではなくて、豆もやし、ほうれん草、ゼンマイ、大根など種類の野菜でナムル(和え物)を作る。その残りものを処分するために、次の日のお昼とかにご飯にその残ったナムルを乗せてかき混ぜて食べるのである。つまり、残った野菜を全部食べることからビビンバは生まれたのだ。そうして野菜を残らずすべて食べている。

さて、日本人は食べることの重要性について認識が足りなくなってきたのではないのか。テレビは料理番組が多くなったが、食に対する貪欲さを欠いてきたとなると皮肉なことである。思考力を失った若者には、ジャンクフードをただ食べていれば生きられるという安易さがあるようだ。化学肥料、農薬、食品添加物の使用で人間にはすでに毒矢が居込まれているのである。その毒矢を自分の力で早急に抜かねばならないのだ。

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市場こそソーシアルメディアの対応をめざすべきだ!

ソーシアルメディアの普及拡大で市場も変化していかざるを得ない。産地対策、販売対策のアピールを利用者にモット宣伝すべきだろう。


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