タンスの中の森
神社や公園などで見かける大きな樹の一つに楠(クスノキ)があります。
ちょうど今が新緑の葉と花が美しい時期で、特有の香りは衣類の防虫剤としてお馴染みの樟脳(しょうのう)の香りです。
現在流通している樟脳はほとんど合成品で、松脂由来のテレピン油から作られますが、九州では楠のチップを水蒸気蒸留することで、天然の樟脳が作られています。
ちなみに、約25kgの樟脳を作るには、楠のチップが6t必要だそう。
樟脳といえば独特のツンとする強い匂いのイメージがありますが、天然の樟脳の匂いを嗅いでみると、「おばあちゃんのタンスの匂い」とはちょっと違い、思いのほか清々しい植物の香りがしました。
メントールやユーカリなどの香りが苦手でない方は、ぜひ一度お試しになってみてください。
写真提供:福岡県(下)
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