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ゲノム編集 ヒトの遺伝子への応用巡り国際会議
これ、大問題だと思う。確かに遺伝子解析はすでに終わった。ではその遺伝子ですべての生命現象が説明できるかというとそこは全然わかっていない。遺伝子がまったく同じなら同じになるかというと環境の変化で自らを作り替えていく。黒田洋一郎氏は確か遺伝子を彫刻の素材を決めるものにたとえていたと思う。それに何を掘るのかはその生命に託されたものであって、遺伝子がすべてを決定するのではない。でも今、工業化された科学界はそれをとても単純な機械モデルにしてしまい、遺伝子を変えていけばさまざまな問題を解決できると勘違いしている。
確かに一定の遺伝子を操作すれば、一定の結果が得られるのは確かにそうだろう。しかし、その操作によってどんな副次的な結果が生み出されるか、まったくわからない。問題はその操作が世代に引き継がれることだ。一時的な症状を治すのに有効だから、とか、生態系に影響を与えてしまうような改変をすることで取り返しの不可能な事態は起こりうる。
そうした批判は、病の人を救いたくないのか、などの言葉で封じ込められるかもしれない。しかし、これまでの遺伝子組み換え企業の倫理を欠いた開発のあり方を見ていれば、それがそうした目的よりも特定の企業の利益のために作り出される危惧は明確に存在している。
遺伝子の研究は大きな意義があると思う。それを本当の公的な目的に生かせば、大きな成果があげられるだろう。でも、今はその公的な目的は後方に退き、企業利益が優先されてしまう。それでは企業とは何なのか、それに代わる組織はありえないのか、いや、ありうる。経済の仕組みを変えていかない限り、もう1つのあり方は想像上の産物と言われてしまうかもしれないけれども、この地球はもはや企業の収奪に耐えられないところまで来ている。
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