2013年11月12日火曜日

いかに食後の血糖値の上昇を抑えるか



原 三郎さんからシェア




人間が消化できる多糖(グルコースなどの単糖が数千~数万つながった糖)は、グルコースだけでできているデンプンである。

人間は口と小腸でデンプンを消化する。唾液のアミラーゼはデンプンをズタズタに切断して、グルコース数個から数十個のデキストリン(マルトオリゴサッカライド)にする。膵液に含まれる膵臓のアミラーゼは、デキストリンをグルコース2個つながったマルトースにする。

マルトースは小腸上皮細胞表面にあるα-グルコシダーゼによって切断され、グルコース2個になる。こうしてデンプンを構成していたグルコースは全部バラバラにされ、小腸上皮細胞に吸収されて血液に送られる。食後30分ほどすれば血糖値が上昇するのは、口と小腸で行われた消化の結果である。

食後血糖値の上昇は糖尿病の人にとっては脅威であるし、健康な人にとっても老化を加速させる要因である。糖尿病の人も含めてすべての人にとって、如何に食後血糖値の上昇を抑えるかは極めて重要な問題である。

桑の葉にはDNJ(1-デオキシノジリマイシン)と言うα-グルコシダーゼの阻害剤が含まれているため、桑の葉を飲んでおくと小腸で生じるマルトースの一部は消化されない。そのため、食後血糖値の上昇は低く抑えられるのである。




原三郎さんのプロフィール

NPO法人 日本マルベリークラブ

代表理事 President · 2004年6月から現在
桑・カイコ・絹の新しい機能の解明とその利用方法の研究、それらの効果の普及活動
Studies, development and promotion of new functions and utilization of mulberry, silk-worm and cocoon.

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