2011年11月18日金曜日

人間・親鸞の魅力について



250px-shinranshonin.png今朝はNHKのラジオ深夜便を聞いた。作家・五木寛之さんの近著・親鸞についてであった。
さて親鸞が生きた時代はどういう時代だったのか。
       (写真:親鸞。フリー百科事典)
12世紀の末法思想蔓延る時代に法然の出現。1133年(いいみみ)に生まれ、1212年(いちにいちに)に没す。80歳の長命。王朝文化が崩壊し武家社会が出現した時代で大混乱の時代であった。
源信「往生要集」で書かれたように天災、一揆、内乱、生き倒れ、母親が赤ん坊を食べた時代。鴨長明「方丈記」の世界。「梁塵秘抄」もあった。生きて地獄、死んで地獄で 「今様」=絶望の嘆き歌が大流行した。
比叡山一の大僧正(公務員)だった法然が下山して萬の仏に疎まれていた人々に救済活動を開始した。阿弥陀如来という仏がいる。念仏一つで救われる。死後、浄土へ行ける。(病、苦、餓えることがない)その法然の元へ親鸞が行く。
大変動、混迷のなかでどんな悪人でも救われる。生きていく希望がなんとか持てた。
「歎異抄」はドラマのように書かれているという。音楽=肉声
苦しんでいる人々に喜びをつくる。
法然は死んで浄土へいけることを易しく伝えた。法然のもとへ行った親鸞はその教えを易しく深く伝えた。さらに蓮如はこの二人の教えを広く伝えた。
五木さんは親鸞の青年時代を書きたかったという。親鸞は現実の生活をした。鳥の目から虫の目で歴史の見方を変える。
親鸞をオヤドリと読む若者がいるなかで、シンランと読むんだよということで、まず人を集めるだけだ。
それにしても、いま何故に親鸞なのか?
たとえば柳沢桂子さんが「死について語る」と堂々と死を見据えることができるようになった。
かつては資本家と労働者の対立で「労働者」が語られた。そして ドストエフスキーの「罪と罰」へと移った。現在は3段階で「死生観」が注目されている。
電子書籍時代を迎えたなかで、五木さんは蓮如の広く伝えることをさらに工夫して、インターネットで本が読めるようになった。辻説法みたいに気軽に読める。時代の流れを読み解くのが鋭い。IT化をうまく取り入れたのである。
ともあれ3人とも長命である。
法然 80歳
親鸞 90歳
蓮如 85歳
ちなみに仏陀 80歳

*この原稿は2010/6/14 月曜日 ホームページに掲載したものです。(再掲)

0 件のコメント:

コメントを投稿