桑の葉の作用
桑の葉は、言わずと知れたカイコの餌。
ところが、カイコに食べさせるより、人間が食べた方がはるかに効果的なのだ。
桑葉の効果は、大きく2つに大別できる。
桑葉の作用 その1 消化管におけるブドウ糖産生の抑制
桑葉には、DNJ(1-デオキシノジリマイシン)という化合物が含まれている。この化合物には3つの作用がある。
①
血糖値の上昇を抑える
DNJはα―グルコシダ-ゼの活性を抑える阻害剤(インヒビター)。小腸においてデンプンや砂糖の消化を抑えてブドウ糖の生成を減少させ、血液へのブドウ糖の取り込み量を少なくする。そのため、食後血糖値は低く抑えられる。
②
便秘改善効果
消
化されなかった澱粉の断片や砂糖は大腸に移動し、腸内細菌の働きで酢酸や酪酸などの短鎖脂肪酸に変えられる。これらの短鎖脂肪酸のうち酪酸は大腸のぜん動
運動のエネルギー源であり、排便を強力に促進する。また、桑葉に含まれるペクチン質にも整腸作用があり、酪酸とペクチンの作用により自然なお通じをもたら
す。
③
アンチエージング
血糖値が低く抑えられると、タンパク質の糖化も少なくなる。タンパク質の糖化はとりもなおさず老化の重大要因だ。特に、コラーゲンの糖化は「お肌」の大敵。
桑葉の作用 その2 脂肪代謝の促進
桑葉に含まれる抗酸化物質は他の植物より多く、様々な作用を示す。
①
ダイエット効果
内臓脂肪細胞に作用して、全身のホルモン作用のバランスをつかさどるアジポネクチンの産生を促し、脂肪代謝を促進します。その結果、内臓脂肪は減少し、いわゆるメタボ腹を解消する。
②
動脈硬化を防ぎ、血圧を下げる抗酸化物質
抗酸化物質はLDL(低密度リポタンパク質、悪玉コレステロール)やHDL(高密度リポタンパク質、善玉コレステロール)の酸化を防ぎ、動脈硬化の進行を抑え、改善する。その結果、血圧は徐々に下がる。
③
高脂血漿にも効果
脂肪の代謝を促進する作用があり、桑葉を飲み続けていると、血中のコレステロールや中性脂肪が減少し、血液は「サラサラ」になる。
桑がメタボに非常に効果があること、わかってもらえたかな。
メタボ解消に取り組んでいる人を応援し、改善速度を上げるのに、桑が適していることは間違いない。
ただし、メタボ解消は、生活習慣の改善でしか本来的な解決策はない。桑はあくまでも補助的手段だ。生活習慣を変更し、メタボからの脱却をはかるのが基本であることに何ら異を挟むものではない。
皆さんの取り組みは如何に?
原三郎さんのプロフィール
代表理事 President · 2004年6月から現在
桑・カイコ・絹の新しい機能の解明とその利用方法の研究、それらの効果の普及活動
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