2011年10月1日土曜日

【特集】海外食料需給レポート

農林水産省

消費量の増加から、穀物全体、油糧種子の期末在庫率は低下する見込み。北
半球では夏作物が収穫期に入り、今後本格化。南半球では10月以降の作付けに
向け、一部地域で土壌水分不足の懸念。
穀物全体の期末在庫率は19.5%と前年度(20.3% )を下回り、FAOの安全在庫
水準(17~18%)に近づく見込み。

≪主な品目別の需給≫
(1)小麦
生産量は前年度の減産から回復して消費量を上回るが、期末在庫率は低下す
る見込み。
【生産量】678百万トン(+4.6%)
【消費量】677百万トン(+3.4%)
【期末在庫率】28.7%
・米国の春小麦は収穫が概ね終了。2012/13年度の冬小麦は、土壌水分不足で
作付けに遅れ。
・ウクライナは収穫が終了し、ロシアは収穫が終盤。生産量は前年の干ばつか
ら回復の見込み。2012/13年度の作付けが本格化。
・独では収穫期の降雨で品質が低下し、飼料向けの割合が増加。一方、東欧諸
国等では天候に恵まれ、作柄は概ね良好。
・西豪州を中心に豪州は豊作の見込み。
・作付けが遅れたカナダでは収穫が本格化し、作柄は概ね良好。

(2)とうもろこし
生産量は史上最高を更新するものの、消費量を下回り、期末在庫率は低下す
る見込み。
【生産量】855百万トン(+3.7%)
【消費量】862百万トン(+2.1%)
【期末在庫率】13.6%
・米国では7月の受粉期の高温乾燥により生産量は下方修正。飼料用やエタノ
ール用も下方修正。期末在庫率は、引き続き低水準(5.3%)。
・中国は好天に恵まれ、史上最高の生産量となるも、旺盛な畜産物需要により
消費量も増加し、輸入を継続する見込み。
・アルゼンチンで作付けが始まり、ブラジルでも10月以降に夏とうもろこしの
作付けが始まる。
・ウクライナ、EUでは天候に恵まれ、生産量は増加。

(3)米
アジア諸国での収穫面積増加等により、生産量は史上最高を更新して消費量
を上回り、期末在庫率は上昇する見込み。
【生産量】458百万トン(+1.6%)
【消費量】456百万トン(+1.6 %)
【期末在庫率】21.6%
・タイでは10月の担保融資制度の再導入により、国際価格への影響懸念。
・インドでは米の輸出が限定的に許可された。

(4)大豆
生産量は消費量を下回り、期末在庫率は低下する見込み。
【生産量】259百万トン( ▲ 1.9%)
【消費量】262百万トン(+ 3.8%)
【期末在庫率】23.9%
・米国では収穫面積の減少に加え、7月以降の高温により、生産量は減少する
見込み。
・旺盛な大豆(搾油用)需要で中国の輸入は増加するも、アルゼンチン、ブラジ
ル等の輸出量の増加により米国の中国向け輸出需要は減少見込み。
・ブラジル、アルゼンチン等の南米では、10月から年末にかけて作付け。


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