ねぎの中でも最高級品のねぎといわれるのが「千住ねぎ」。
いまでも鍋物屋さんや蕎麦屋さんでなどで愛用される。
このねぎを取り扱うのは築地市場でも大田市場でもない。千住にねぎ専門の市場があるのだ。
ところで千住ねぎの産地は埼玉県越谷市中島で元荒川と新方川が合流する三角州のところにある。
むかしは東京都内の葛飾区や江戸川区界隈にも産地が点在していたのだが都市化の波で追われた。
それにしても中島の産地はねぎ栽培では気候・風土とともに土壌にも適しているのだろう。
ねぎ畑で作業をしている生産者に一人ひとり声を掛けながら話を聞かしてもらっている。トラクターで畑を整地していたねぎ栽培3代目杉山雄八さんに話 が聞けた。杉山さんの畑は道路より低地にあり新方川がよく氾濫すると、水に浸かったということで1メートルほどの盛土をした。その上に鶏糞を入れて畑づく りをされたようだ。
この伝統ねぎもいまではタネがF1になってしまったということを、以前に鈴木清貴さんに聞かされたので、「固定種はないのですか?」と聞くと、まだ 固定種で栽培されている生産者もいますよとのことであった。ガゼンこちらも元気がでてきて身を乗り出すと、「オレも昨年、購入したんだよ」と説明。生産者も 固定種が美味しいということは分かっているんだよと続けた。ただF1なら夫婦二人でも栽培可能だが固定種で栽培となると4人は労力が必要となるそうだ。
杉山さんの自宅で固定種のタネを見せてもらった。
★元蔵ねぎ(秋冬ねぎで、11月から4月までの販売)
★吉蔵ねぎ(夏ねぎ、6月から10月まで)
★元晴ねぎ(春ねぎ4月初旬から5月初旬)
すべてこの地のねぎ生産者の先覚者の名前から命名されている。
しかし、もう自家採取する生産者はいないので種苗会社の管理となった。種苗会社ではこうしたタネの採取をオーストラリア、ニュージーランド、チリ、イタリアなどで行っているのだ。
杉山さんは農協のグリーンマルシェの直売所でも販売されているが、固定種を復活することはできませんかと問うと、「来年は5畝ほどに元蔵ねぎを播種し てみるよ」という答えが・・・。そして千住ねぎではなくて、越谷ねぎのブランドをこの固定種で高めていく必要があるなということであった。
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