東京の青果小売商は元亀、天正時代に成立
青果物の流通を考えるとき、生産者同様に青果小売商の組合、ことに東京の東京都青果物商業組合(井口幸吉理事長)のことを抜きには語れない。
千代田区神田練塀町にある同組合のTSKビルを訪問した。同理事長の説明によると、組合員の卸売市場における仕入れ代金を、3日目に1円の間違いもなく、一 括して卸売会社、仲卸会社に支払っている。そのため数百、数千人の組合員の仕入れ代金の管理を行い、卸売会社、仲卸会社には支払いの保証をしている。
こ の代払い方式は、国内はもとより世界を見渡しても見当たらない稀有のシステムである。組合創立の父と称せられた大澤常太郎元理事長が創り上げた素晴らしい システムですということである。市場が今日まで存続してきたのはこの代払いシステムにあったと言っても過言ではないだろう。
ところで同組合の資料「思ひ出の組合発展絵物語」によると、青果小売商が一つ商売として生まれたのは元亀、天正時代(いまより400有余年前)という。そのころ今の豊島分場の前身駒込市場付近に青物市場が開かれて江戸近在の野菜が取引されていたという。
私も全国の市場を歩いてきたので分かることだが、どこの市場でも小売商組合の事務所に行くと大澤常太郎翁の写真が飾ってあった。功績については追ってご紹介しよう。
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