百家繚乱「向島百花園の萩まつり」
このところ、東京都中央卸売市場を巡る話題に翻弄されて、こちとら些か食傷気味。
そこで同じ東京都の施設でも風流な気分を味わいたいと、国指定名勝・史跡である「向島百花園」の萩まつりに行ってみた。
とりわけ心動いたのは、勝新派社中の「新内流し」を聴きたかったためである。
ところで200年の歴史と江戸の花園の向島百花園では同園を以下のように紹介している。
江戸の町人文化が花開いた文化・文政期に、骨董商を営んでいた佐原鞠塢(きくう)が交友のあった江戸の文人墨客の協力を得て、花の咲く草木観賞を中心とした花園として開園されたもの。
開園当初は360本のウメが主体。その後、詩経や万葉集など中国・日本の古典に詠まれている有名な植物を集め、四季を通じて花が咲くようになった。唯一現代に残る江戸時代の花園である。
昭和13年、永久保存のため所有者から東京市に寄付され、翌年14年に東京市が有料で制限公開を開始。昭和53年に文化財保護法により国の名勝・史跡に指定されている。
入り口付近の庭門に蜀山人の扁額、門柱には詩人・大窪詩仏が「春夏秋冬花不断」「東西南北客争来」の聯がかかっている。
その他、芭蕉の句碑を含め合計29の句碑、石柱が園内随所の建ち庭造りに力を合わせた文人墨客たちの足跡をたどれる。
同園を静かに散策して新内流しを聴くと、なにやら墨田川にやかた舟を浮かばているような心境となった。
最後は、三味線の音色に合わせて観客一同「すみだ川」「明治一代女」「悲しい酒」「野崎小唄」そして「無法松の一生」を唄わせてもらった。
いまも玉の井界隈は風情があるいい街であった。
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