2015年12月7日月曜日

人類が気候変動の危機から脱出する2本の柱

あと3週間ほどで国際土壌年が終わる。すでに地球上の3分の1の土壌が失われ、このままの傾向が続けば、あと60年ですべて失われてしまう。この話を大学でしたら、SFみたいでわからないと言われた。

土壌が単なる物質、泥として認識されていればわからないかもしれないが、土壌とは実は大変な有機物で構成されている。手のひらの土壌には地球の人口を超える微生物が存在するという。でもその微生物が死に、有機物がこわされてしまえば、それは抜け殻になってしまう。

容易に水に流され、風に飛ばされ、あとに残るのは岩や石ころだけ。遺伝子組み換え作物で大量に化学肥料や農薬を入れた畑が何年かすると石ころばかりが目立つようになるという。土壌が失われていくからだ。

この土壌に世界の大半の二酸化炭素が吸収されていた。そしてその炭素は土の中の生き物の栄養源となっていた。太陽光による光合成によって植物が作り出す 炭水化物が根を通じて土に入り、微生物がその炭水化物を吸収しエネルギーとするが、その微生物がもたらすミネラルが植物の栄養となっていく。

その栄養は人 間に食べられ、腸内の細菌にエネルギーを与え、その力でわれわれは食物を吸収し、エネ ルギーに変えていく。再生エネルギーはこうして自然を生かしている。発電だけでなく、再生エネルギーはこうしてわれわれの体内を含む自然を生かしてきた。 再生エネルギーの循環は命の循環であり、化石燃料を使うことは死への道。

温室化効果ガスの排出を止める、発電を化石燃料ベースから再生エネルギーベースにすること、そして化石燃料に基づく工業化農業(化学肥料、農薬など)か ら土壌を生かすカーボン・ファーミング/アグロエコロジーへの転換、これが人類が気候変動の危機から脱出する2本の柱だろう。

At end of International Year of Soils, UN chief appeals for reverse in rate of soil degradation
http://www.un.org/apps/news/story.asp…-

Soil loss: 1/3 of our most fertile land has vanished in the past 40 years
http://www.treehugger.com/…/soil-loss-one-third-our-most-fe…






0 件のコメント:

コメントを投稿