私の友人でいまは亡き「食品広場」を運営していた川島佐登子さんが書いた幻の西洋なし「コミス」の紹介記事を思い出しています。
幻の西洋なし・コミスの生産者は群馬県渋川市の見城 彰さん。
その一部をご紹介します。
天皇の料理番・秋山徳蔵さんがコミスの味を絶賛したと言われます。確かに巷間いわれるスイーツの人工的な味とは比較になりません。
なぜコミスが日本の西洋なしの主力品種になっていないのか、私は無謀にも全国一の青果物取り扱いをする大田市場・東京青果に電話をしました。
西洋なしの担当者を紹介してほしいとお願いしたところ、たまたま電話のすぐ近くに東海林さんがいて、コミスを栽培しているので情報がほしいとお願いしたところ、「コミスを栽培している、本当?」とビックリされ、こちらもそんなにすごいのかとビックリしました。
小売店も回ってみましたが、コミスを知っていたのは神田万惣、新宿高野さんぐらいでした。
私も失敗に失敗を重ね、毎年始めは東海林さんに任せておけと言っておきながら、収穫時期になると「スマン、失敗」の連続でした。最後は開き直って、私の自慢は失敗の数だけ、失敗の数なら他の西洋なし栽培者の誰にも負けない(これは事実だと思います)、というしかないといった状況でした。
性格的にプラス志向ですから、失敗にもめげず2000年やっとコミスの最大の問題点である、「毎年安定して充実した花芽がこない」というのを克服し、やっと安定した花芽が来るようになりました。
これでやっと経済栽培に成功した、といえるのではないかと思っています。
「今年こそ」と東海林さんに言うと、もう笑われるかもしれませんが、「今年こそ」と思っています。失敗したら、「それがコミスだ」と開き直ればいいだけですから。
コミスは国内の知名度はゼロです。帝国ホテルやホテルオークラ、ニューオオタニでも知っている人はいませんでした。
果物の本にもほとんど掲載はありません。掲載されていても、幻の名果とか、品質最高の西洋ナシと掲載されているだけで、味に言及した本には出会っていません。
秋山徳蔵さんの著書に味に言及した文章があるくらいです。ちなみに大正4年4円から5円というと米60kgと同じ値段になります。
10年前まではこうした状態でした。
ところが近年は山形でもかなり栽培が導入されています。検索しますとたくさん西洋なしコミスがヒットします。
藤原さんところでは福岡の果実専門店まで販売しています。
福岡大同青果や北九州青果の果実部では西洋なし、とくにコミスなどの集荷はできていないでしょう。まだ特殊な販売ですから。
小売価格は安いところで1個当たり千円前後。お店に追熟の時期、食べごろをご確認ください。熟女を相手するようにワインとともにご賞味ください。
藤原さんは西洋なしの販売を次のように話してくれました。
藤原さんは西洋なしの販売を次のように話してくれました。
バートレット、
オーロラ、
マルゲリットマリーラ、
カリフォルニア、
コミス、
の順に販売していただき、2〜3種類をかぶらせ売場作りを…
月末に出荷されるラ・フランスを前にバラードを低価格で販売する予定です。
こうしたコミスのような特殊な販売を考えても、中央卸売市場としての機能は大田市場と大阪本場が残ればそれで十分です。
あとの市場はデポ的な機能となっていくでしょう。
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